障害基礎年金の支給を巡り、日本年金機構が「障害の程度が軽い」と判断して打ち切りを検討していた1010人について、一転して支給を継続する方針を固めたことが25日、厚生労働省などへの取材で判明した。症状が改善していないのに支援がなくなるケースに配慮したとみられる。 1010人は成人前から心疾患や糖尿病などを患う「20歳前障害」で、毎年80万~100万円程度の障害基礎年金を受け取っている。しかし昨年4月に支給の可否を決める審査業務が、地域間のばらつきを…
血糖値の測定器を手にする西田えみ子さん。訴訟を起こし、障害基礎年金の支給を求める=東京都千代田区(加藤園子撮影) 血糖値を下げるインスリンが体内で作れない1型糖尿病の女性患者が、障害基礎年金を支給されないのは不当として、来月中にも国を相手取り、年金不支給決定の取り消しを求める訴えを東京地裁に起こすことが21日、関係者への取材で分かった。1型糖尿病の障害基礎年金をめぐっては、病状が改善していないのに支給を打ち切られた患者らが大阪地裁に集団で訴えを起こすなど各地で判断の是非を問う声が上がっている。 訴えを起こすのは、障害当事者のNPO法人で非常勤の相談員を務める西田えみ子(本名・林恵美子)さん(47)=東京都府中市。障害基礎年金は、厚生労働省が示す障害等級で「日常生活が著しい制限を受ける」などとする2級に年間78万円、より重い1級に97万円が支給されるが、西田さんは昨年3月、「該当しない」とし
日本年金機構が障害基礎年金の受給者約1000人余りに対し、障害の程度が軽いと判断して支給打ち切りを検討していることが判明した。対象者には、特例的に1年間の受け取り継続を認めつつ、今年度中に改めて支給の可否を審査するとの通知が届いている。都道府県単位だった審査手続きが全国で一元化された影響とみられるが、受給者の間には「症状は改善していないのに困る」と戸惑いが広がっている。 障害基礎年金は、20歳前から難病を抱える人や、国民年金加入者が障害を負った場合などに、年80万円程度を下限に支払われる。機構や関係者によると、通知を受け取ったのは1010人で、いずれも20歳前から障害がある成人という。
病気やけがのため、生活や仕事が制限される人に支給される障害年金。ただし、受給資格には個人差があり、厚生年金の加入者は障害の程度が3級でも支給されるが、国民年金の加入者はより重い2級以上でないと認められない。とりわけ精神障害や発達障害の場合、他の障害に比べて企業などへの就職が難しかった時代が長く、仕事に就けない上に年金も受けられない人は少なくない。 名古屋市に住む四十代の自閉症の男性は三月、障害年金を不支給とする決定を受けた。自閉症は発達障害の一つで、言葉の遅れや独特のこだわりなどが特徴。二年前に受給資格があると知り、初めて請求したが通らず、その後、二度、国に不服申し立てをしたが、いずれも棄却された。三月の通知は、二度目の棄却を知らせるものだった。 男性は「労働が著しい制限を受ける」として三級は認められた。もし、初めて医療機関を受診した「初診日」の時点で厚生年金に加入しているなどの条件を満た
厚生労働省は9日、障害が重くなったのに、障害年金の支給額が減るなど矛盾したケースが起きる「差し引き認定」の仕組みを見直すことを決めた。同日開かれた有識者会議で、別々の原因で同じ部位に障害を負った場合、現状の障害程度を等級に反映させる案を示し、了承された。日本年金機構に基準改正を通知後、今夏をめどに運用を開始する。 「差し引き認定」は、体の同じ部位に複数回障害を負った場合に適用されるが、算定基準に問題があったため実態より軽く認定されることがあった。
行財政専門情報サービス 全国の新聞社43社と共同通信社が提供する行財政ニュースサービスです。中央省庁や多くの自治体でご利用いただいています。 国の障害年金で、障害が重くなったのに支給額が減るという矛盾した仕組みがあることから、厚生労働省は5日、制度の是正に向け、専門家による検討会を設置することを決めた。9日に初会合を開く。 1986年にできた仕組みで、本格的な見直しは初めて。「差し引き認定」と呼ばれ、体の同じ部位に別々の原因で障害を負った場合、最後に負った障害のみを考慮し、年金を支給する。これまでに約270人に適用された。 差し引き認定を巡っては、これまでもたびたび「不合理だ」との指摘が出ていたが、厚労省は放置してきた。2015年に障害者が国を提訴したことがきっかけでようやく動きだした。
国の障害年金で、障害が重くなったのに支給額が減る不合理な仕組みがあることから、厚生労働省は是正に向け、制度を見直す方針を決めた。検討会を設けるなどして専門家の意見を聞き、具体策を決める考え。 この問題をめぐっては、生まれつき両脚に障害のある大阪府内の男性が、交通事故で障害が最重度になったのに、支給額を減らされたとして昨年、国を提訴。厚労省は「制度を見直す考えはない」としていたが、国会で追及され、姿勢を転じた。 この仕組みは「差し引き認定」と呼ばれ、体の同じ部位に別々の原因で障害を負った場合、最終的な状態から以前の障害を差し引き、2回目の障害の程度に基づき年金を支給する。 大阪府の男性は、もともと障害基礎年金2級(月約6万5000円)を受給。会社員時代の事故で最重度の1級の状態になったが、差し引き認定により最も軽い障害厚生年金3級とされ、支給額が月約4万9000円に減った。訴訟は係争中だが、
障害年金が支給されやすい地域とそうでない地域があり、都道府県の格差は最大6倍に広がっている。厚生労働省は医師の判断が難しい精神・知的障害を対象に細かく基準を定めたガイドラインをつくり、今月から運用を開始。格差の是正をめざす。 うつ病女性、「理不尽判断」で不支給 うつ病と広汎(こうはん)性発達障害を抱える50代女性は2014年10月、愛知県で国民年金の障害基礎年金を申請した。翌年2月、日本年金機構の愛知事務センターから届いた決定は「不支給」。「著しい発達障害は認められず、意欲低下などの持続は睡眠障害の影響が大きい。正しく薬を処方されれば改善する」という理由だった。 女性は今年3月まで週に4日間、事務仕事をしていた。職場で疲れ切り、帰宅すると玄関でへたり込んでしまう。食事を自分で作ることができず、コンビニに頼る。一人暮らしの部屋は家事が滞り、近所に住む母親(79)に手伝ってもらっていた。 障害
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