国土交通省「介護者なき後」調査の結果概要※脊髄損傷者の入居(所)実績は、調査途中で質問項目に追加されたため、回答数はグループホーム613、入所施設265 障害者が暮らす全国のグループホーム(GH)と入所施設を対象に、国土交通省が寝たきりで意思疎通も困難な最重度の「遷延(せんえん)性意識障害者」の入居(所)状況を調査したところ、回答したGHで約0.4%、入所施設で約23.3%しか受け入れ実績がなかった。交通事故では重い後遺症を負った子を親が介護するケースが多く、「親なき後」の介護のあり方が家族の間で喫緊の課題になっている。介護者のいない障害者の居場所として期待されるGHなどが受け皿となり得ていない実態が浮かんだ。【江刺正嘉】 調査では、たんの吸引など医療的ケアに対応できるGHなどが少ないことが重度後遺障害者の受け入れを阻んでいる状況も判明。そのため同省は今年度から、重い後遺症がある交通事故被
東京都内の自治体が障害を持つ子どもに特化した通所施設や放課後の居場所の整備を強化する。施設の定員数は増えているが、設置済みの区市町村は全体の半数以下にとどまる。都は2020年度までに全区市町村に少なくとも1カ所の開設をめざす。障害児の保護者が仕事を続けられる環境を整え、自立支援や社会との接点づくりにもつなげる。都は障害児施策として、未就学児向けの「児童発達支援」と、小学生以上が通う「放課後等デ
視察に参加した穴見議員(立つ人)ら 日本財団(笹川陽平会長)と就労継続支援A型事業所全国協議会(全Aネット、久保寺一男理事長)は4月27日、障害者の就労についてオランダとドイツを視察した結果の報告会を衆議院第1議員会館で開いた。視察に参加した国会議員からは「日本も包摂型にかじを切るべきだ」(穴見陽一氏・自民)との声が上がった。一般就労に近い環境で働く「ソーシャルファーム」を推進する動きが議員連盟で加速しそうだ。 今年1月14日から21日の視察に参加したのは与野党の国会議員6人と日本財団、全Aネットの役員ら計17人。両国とも近年新法を制定し、保護就業(日本の就労継続支援A型、B型に相当)を縮減している。 ドイツは2015年3月、国連の障害者権利委員会から障害者作業所を段階的に廃止するよう勧告され、「日本も近いうちに勧告されるだろう」(視察団の岩田克彦・全Aネット顧問)と見られている。 視察団
精神障害者の家族会で構成する全国精神保健福祉会連合会(本條義和理事長、通称=みんなねっと)は13日、大阪府寝屋川市、兵庫県三田市で精神障害者が自宅で家族により長期間監禁された事件が発覚したことを受け、見解を表明した。家族が社会から孤立し、ストレスを抱えているとして、医療アクセスの改善などが必要だと訴えた。 監禁事件の背景に、「治療を受けることへの抵抗感」「周囲から隠そうとする心理」「病状が悪化したときにとる手段がほとんどないこと」があったとみている。 寝屋川の事件では統合失調症の女性(33)が10年以上監禁された末、昨年末に死亡。三田の事件では精神障害のある男性(42)が20年以上監禁され、今年1月に福祉施設に保護された。 同連合会が4月3日に公表した全国調査によると、日中、家にいて何もしない精神障害者が2割いること、家族の7割が日常的にストレスを抱えていることが分かった。 同連合会は調査
会議による成果報告を行う丹羽文科副大臣(右)と高木厚労副大臣文科・厚労両省の合同による「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト会議」は3月29日、第3回会合を文科省で開催し、同プロジェクトの報告を取りまとめた。教委と福祉部局、学校と障害児通所支援事業所などとの連携強化を図り、障害福祉サービスを利用する児童生徒や保護者の効果的な支援につなげる。 同会議ではこれまでに、教委と福祉部局が連携して、障害児と保護者へのサポート体制を構築している自治体や、障害者団体、放課後デイサービスなどを提供している団体などからヒアリングを行い、連携する上での課題や具体的な方策を検討してきた。 学校と放課後デイサービス事業所との間で、活動内容や担当者との連絡先が共有されていないなど、円滑なコミュニケーションが図られていない実態や、保護者にとっては、乳幼児期、学齢期、社会参加の各段階で相談窓口が分散して
厚生労働省が身体障害の認定を巡り、急速に進行する疾病による障害を早期に認定するよう求める通知を全国の自治体に出した。背景には、四肢がまひするなどの障害があったにもかかわらず身体障害認定されないまま亡くなった、小児がんの子どもたちの存在がある。遺族たちが改善を訴え、通知に至った。【宇多川はるか】 発症5カ月で死亡 「すぐじゃないと間に合わない」 身体障害認定は、医師の診断書などの必要書類をそろえて自治体に申請し、審査を経た後に身体障害者手帳の交付を受けるという流れ。認定基準は、身体障害者福祉法に基づいて種別ごとに国が定めるが、いずれも「一定以上で永続すること」を要件としている。 「一定以上の永続」は、自治体や医療機関では「症状固定」「障害固定」などと言われることがあり、障害が数カ月間変わらずに続くことを「固定」とみなす自治体もある。そのため、進行性で症状が変動する疾病による障害は、「永続性」
平昌(ピョンチャン)パラリンピック代表で女子アルペンスキー座位の村岡桃佳(20)=早大=には、特別な1台のチェアスキーがある。名前と同じ桃色だ。地元・埼玉県深谷市が障害児のスポーツ用具代を支援する制度を使い、49万5000円の助成を受けた。 財源は市民などからの寄付金だ。村岡は「経済的に助けられたし、みなさんの寄付を使わせてもらっているからこそ頑張らなきゃという気持ちにもなる」と話す。 深谷市のゆるキャラの名前を冠した「ふっかちゃん子ども福祉基金」。事業の一環で2013年度から、市内の障害児にスポーツ用具代を助成する取り組みを全国で初めて始めた。高校2年の時、ソチ・パラリンピックに初出場した村岡が助成第1号になった。徐々に拡大し、現在は競技用車椅子などの補装具に年間上限50万円、靴などの消耗品に同1万円を助成する。20歳まで利用できる。
兵庫県養父市は2018年度から、18歳未満の障害児を対象とした福祉サービスを実質無償化する方針を固めた。障害の有無にかかわらず、安心して子育てできる環境を整えるのが狙い。同市によると兵庫県内初の試みで、全国的にも珍しいという。(那谷享平) 無償化の対象となるのは、放課後デイサービスや未就学児への療育支援、居宅介護など、児童福祉法と障害者総合支援法で定めるサービス。現行制度では、所得などに応じて3万7200円を上限に、サービス料の原則1割を利用者が負担している。 養父市によると、市内で障害児の保護者が自己負担を気にしてサービスの利用をためらう事例があったといい、同市が無償化を検討してきた。利用者が負担額を支払った後、申請を受けた市が利用者の口座に振り込む形となる見込み。18年度は45人程度の利用者を想定。市議会3月定例会に提出する予定の18年度一般会計当初予算案に、関連費用約200万円を計上
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