難病に関する「記念日」が次々と誕生している。難病は患者数が少なく、治療が難しい。その存在すら十分に知られていない現状を変え、病気への理解を広げたい、との患者、家族らの思いが背景にある。 記念日の申請を受け付け、認定する一般社団法人「日本記念日協会」(長野県佐久市)によると、2017年は「ドラベ症候群の日」(6月23日)など三つが認定された。ドラベ症候群は、てんかん発作などが起きる。多くは1歳までに発病し、2万~4万人に1人とまれな病気で、他の病と診断されることもある。10分以上続く発作や脳症、突然死などで10人中1、2人は成人になる前に命を落とすと言われるが、患者家族会の黒岩ルビー代表は「発作がなければ大変な病気と思われない場合もある。一般の方や学校の先生にも理解してもらいたかった」と話す。 昨年から記念日に合わせ、会のフェイスブックに、患者の子どもたちの生活の様子を写真とともに紹介。一般
九州で難病患者への支援の輪が広がっている。難病に対する理解を啓発する活動が各地で増えているほか、難病患者に特化した相談窓口を新たに設ける自治体もある。病気に対する不安を和らげ、社会で活躍できる機会を増やそうとする取り組みが進んでいる。7月下旬、長崎市の福祉施設内のレストランで、2カ月に1回の小さな会合が開かれた。集まったのは難病患者や、支援団体のメンバーら5人。お茶やお菓子を片手に、日ごろの悩
この26歳のモデルが、難病のエーラース・ダンロス症候群であると診断されたのは、たった10歳のときだった。エーラース・ダンロス症候群とは、身体がコラーゲンを作る能力に影響を生じる結合組織病である。グラーツさんには皮膚脆弱症と呼ばれる珍しい症状があり、早い時期から皮膚にしわが生じてしまう。 「あなたの持つ不完全な部分は、そのそれぞれがあなたの個性であり、あなたの物語やあなたが何者であるか、そしてあなたが今までに経験した苦闘や旅を語るのです」と、グラーツさんは動画を企画したバークロフトTVに話した。 映像によると、グラーツさんは「自分が22、23歳になって初めて、本当に自分の体を愛し、しわも愛するようになりました」と語った。今、彼女は自身のモデル活動を通じて、エーラース・ダンロス症候群の顔となって、同じ症状を持つ他の人たちに、「あなたたちはそのままで美しいんだ」ということを伝えたいと願っている。
右から難病「AADC欠損症」と闘う松林佳汰さん、亜美さん兄妹。治療に光が差したことを喜ぶ長女紗希さん(左)=タキオンジャパン提供 「AADC欠損症」 記録映画「奇跡の子どもたち」 生まれつき運動神経をつかさどる酵素を持たない難病「AADC欠損症」の患者と、日本初の遺伝子治療に挑む医師の姿を追った記録映画「奇跡の子どもたち」の上映が6月から始まる。映像プロデューサーの稲塚秀孝さんが「難病に苦しむ子に希望を見いだしてほしい」と約10年間追いかけた作品だ。同症は4月に国の難病指定を受けた。 稲塚さんはこれまで広島と長崎の被爆者を描いた「二重被爆~語り部 山口彊(つとむ)」などのドキュメンタリー映画を手掛けてきた。本作のきっかけは10年前、知人で東京在住のライター、山田直樹さん(60)から「息子の病名がようやく分かったよ」と連絡を受けたことだ。長男慧さん(20)は寝たきりで、病名も治療法も不明だっ
難病の脊髄性筋萎縮症を患う重度障害者の海老原宏美さん(39)=東京都東大和市=が、小池百合子都知事に手紙を書いた。人工呼吸器で命をつなぎ、地域の障害者の自立を支える活動が評価され、本年度の都女性活躍推進大賞を受賞。一月の贈呈式で、知事宛ての手紙を秘書に託した。 「生産性のある人間、人々に感動を与えられる人間だけではなく、ただ、そこに静かに存在するだけの人間にも尊厳を見出し、全ての都民が社会参加できる都政を執行してほしい」とつづった。 重度障害者の「活躍」って何だろう? 本紙二十二日朝刊「私説論説室から」で、大西隆論説委員が海老原さんの思いを紹介した。小池知事から二十四日午後にメールがあり、「思いはしっかりと届いています」などと返事があったという。同日の定例会見で、本紙の記者が質問すると、知事は海老原さんの提起なども予算案に生かしたと答え、「大変な才能を発揮している。一つの希望であり、いいモ
悪魔払いされていた病(5) 奇妙な動きやてんかんなどの発作を繰り返し、意思疎通もできない。家族にとって、そのつらさはどれほどだろう。以前なら「悪魔払い」されていた病、抗NMDA受容体脳炎。途方に暮れる患者家族にとって、つらさを共有し情報を交換し合う場となったのが交流サイト「SAKURA」だ。 サイトは2001年にオープンした。大森理恵さん(48)が、ヘルペス脳炎と周辺疾患の患者の交流の場として開設した。大森さん自身が「単純ヘルペス脳炎」を患い、退院してから後遺症や再発可能性について調べようにも情報が少なく不安に思ったのがきっかけだった。 病気ごとに症状の概要、専門医・相談窓口を紹介する欄のほか、患者・家族らがハンドルネームで投稿できる相談・情報コーナー、多くの人が感じる疑問に答える「よくある質問」コーナーもある。大森さんが退院した日、自宅に帰る車の中から桜並木を見て「がんばろう」と思った経
難病のALSへの支援を広げようと、おととし世界的に行われた氷水をかぶるキャンペーン「アイスバケツチャレンジ」について6日、報告会が行われ、日本では4000万円余りの寄付が集まったことや、寄付をもとに治療法の研究が進んでいる状況が説明されました。 これについて6日、都内で報告会が行われ、日本では4000万円余りの寄付が集まったことが伝えられたほか、配分を受けた3人の専門家が研究内容を患者や家族に説明しました。 このうち名古屋大学の山中宏二教授は、ALSの原因の1つとされているたんぱく質の働きを抑制させる薬を、副作用を抑えながら使う研究を進めていることを明らかにしました。 東京大学の山下雄也特任研究員は、ALSの症状を示すマウスにてんかんの治療薬を投与したら進行が抑えられたとして、ヒトへの応用を目指していると説明していました。 患者の女性は「研究が進んでいることを心強く思います。1日も早く治療
サービス終了のお知らせ SankeiBizは、2022年12月26日をもちましてサービスを終了させていただきました。長らくのご愛読、誠にありがとうございました。 産経デジタルがお送りする経済ニュースは「iza! 経済ニュース」でお楽しみください。 このページは5秒後に「iza!経済ニュース」(https://www.iza.ne.jp/economy/)に転送されます。 ページが切り替わらない場合は以下のボタンから「iza! 経済ニュース」へ移動をお願いします。 iza! 経済ニュースへ
日本人成人の9割以上が感染しているとされるウイルスが原因でごくまれに発症する難病「慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)」で昨年亡くなった広島県呉市出身の人気声優、松来未祐さん(享年38)をしのぶイベント「39(サンキュー)! 未祐ちゃん」が11日、東京都千代田区の科学技術館で開かれた。松来さんは生前、医師の間でも知名度が低い同病の啓発を望んでいたといい、研究者や元患者の講演のほか、CAEBVの唯一の根治的治療法である骨髄移植のドナー登録会や献血も行われた。【菅沼舞】 松来さんと交流があった声優らが企画した。会場には、松来さんの写真や衣装が展示され、約1000人のファンが生前の松来さんに思いをはせた。グッズ販売もあり、売り上げは経費を除き骨髄バンクやCAEBVの研究チームへ寄付される。
■費用捻出へ保険制度見直しを 私たちの研究チーム「社会的障害の経済理論・実証研究」のメンバーでもあった吉野ゆりえさんが7月30日、48歳で亡くなった。5年生存率が7%とも言われる希少がんの肉腫(サルコーマ)と闘病すること11年、19回の手術と6回の放射線治療という、過酷な闘病生活を経てのことであった。 多才な方で、筑波大学在学中にミス日本を獲得すると、卒業後はプロの競技ダンサーとして活躍。世界で最も権威あるブラックプールのダンス選手権では、ラスト24に入る。 彼女が異変に気づいたのは、競…
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