認知症にはさまざまな種類があるが、最も一般的なものはアルツハイマー病で、現代の科学では、直接的な原因や抜本的な治療法を見つけ出せていない。家族が認知症に苦しんでいる事実を明かすのをためらう人々も多くいる。 しかし、認知症患者が何か情熱を共有できる人と関わったときや、深い思い入れのある活動をしたとき、色鮮やかな思い出が蘇ることがわかっている。 米国のコネチカット大学人間開発学部のマイケル・エゴ教授は「もちろん、治療法を見つけ出すための努力は大事だが、認知症になった人々の生活の質を向上させることも重要だ。」としている。その一つの方法が、スポーツ追憶セラピーだ。 スポーツ追憶セラピーは、認知症の患者が集まりグループで社会活動に参加する「ソーシャライゼーションプログラム」の一種だ。このプログラムには音楽、本の読み聞かせ、演劇、ダンスなどの創造的な表現を取り入れており、過去の研究はその有効性を実証し