東京都足立区は「ひとり親家庭」に関する初めてのアンケート調査の結果を公表した。働く母子家庭の約6割は非正規雇用で、このうち仕事で得る就労収入が年間200万円未満の家庭が59・9%を占め、経済的に厳しい現状が浮き彫りになった。区は、正社員を目指す母親らに資格の取得を手助けするなどの支援事業を進める。 調査は2016年に実施し、「児童育成手当」を受給する約8000のひとり親家庭から無作為に抽出した2000世帯に調査票を配布。813世帯(母子693世帯、父子89世帯、外国人31世帯)から回答を得た。 保護者の雇用形態で見ると、仕事を持つ父子家庭では非正規雇用が9・8%、正規雇用が63・9%。これに対し、母子家庭は非正規雇用が62・5%、正規雇用が30・5%だった。区からの手当などを除いた毎月の平均就労収入も、母子家庭は16・3万円で、26・3万円の父子家庭より10万円少なかった。 調査では、ひと
民族差別などを助長するヘイトスピーチ(憎悪表現)に対応する相談窓口を府が設置して1年。全国初の取り組みとして注目されたが、インターネット上や街宣活動による被害が続くにもかかわらず、相談はまだ1件もない。(山本美菜子) 「全く電話がないとは、想定外だった」 京都弁護士会の浅井亮副会長は読売新聞の取材にそう話した。 府は2017年7月、相談窓口を設置した。月2回の電話相談のほか、対面でも相談でき、人権問題に詳しい弁護士から助言を受けられる。 ただ、16年6月に施行されたヘイトスピーチ対策法では、相談者から要請があっても府が路上での街宣行為を中止することや、罰則を与えることはできない。「結局、自分で訴訟を起こすしかない」(弁護士)ため、相談してこないとみられる。 府は、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による京都朝鮮第一初級学校前での街宣活動(09年、10年)をきっかけに対策に本腰を入れ始
ハンセン病患者の隔離政策で患者家族も差別を受けたとして、療養所に入所していなかった女性(1994年に死亡)の遺族が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁松江支部(栂村(つがむら)明剛裁判長)は24日、遺族側の控訴を棄却した。1審・鳥取地裁判決は家族への差別解消を怠った責任が国にあるとしたが、同支部は「国に差別解消の法的義務はない」と判断した。 遺族は、94年に85歳で死亡した女性の五男(72)(鳥取県北栄町)。 らい予防法(96年廃止)の隔離政策を巡っては、国の責任を認めた2001年の熊本地裁判決後、国と全国原告団協議会が01、02年に基本合意書を締結。国が患者や元患者に一時金を支払うことになった。ただ、家族に関しては「差別を受けていたとまでは言えない」として救済していなかった。 1審判決は、らい予防法が「ハンセン病は強烈な伝染病という誤解を与えた」と指摘。患者の子どもへの差別の実例
家に流れ込んだ土砂をかき出す住民。ボランティアが集まらず、家族や友人だけで作業している(21日、竹原市で)=尾賀聡撮影 西日本豪雨の被災地では、土砂のかき出しなどのボランティアとして、これまでに6万人以上が被災地に入った。ところが、被害が広範囲に及んだ今回の水害では、ニーズがあるのにボランティアがほとんど集まらない地域もあり、支援の偏りが課題になっている。 「ボランティアを頼んだのに、全然来ない」。広島県竹原市の男性(73)は21日、くわで自宅の泥をかき出しながら嘆いた。 7日朝、裏山が崩れ、土砂が流れ込んだ。妻と逃げて助かったが、片づけは遅々として進まない。親戚や近所の人の手も借りるが、皆、高齢で体力的にも厳しい。男性は「一日でも早く助けてほしい」と訴える。 土砂災害で4人が死亡、住宅約1000棟が浸水などの被害を受けた竹原市の社会福祉協議会は1日100人のボランティアを募集しているが、
担当する生活保護受給者の女性6人に性的な発言を繰り返したり、メールでデートに誘ったりしていたとして、東京都江戸川区は20日、福祉事務所の男性職員(55)(主任)を同日付で停職3か月の懲戒処分にした。 発表によると、男性職員は今年5月までの約2年間、ケースワーカーとして区内の生活保護受給者の生活相談などを担当。被害女性6人のうち、5人に対して自宅を訪問した際などに「胸が大きいですね」「事務所にはノーブラで来てください」といった性的な発言を繰り返した。また、3人に対して私的にメールや電話をしていたほか、2人を食事に誘うなどした。同5月、被害女性の1人が別のケースワーカーに「言葉による性的な嫌がらせを受けていた」と訴えて発覚した。 男性職員は、区の調査に「(性的な発言は)親しくなるためのジョークだった」「(食事に誘った一部の女性には)特別な感情があった」などと話しているという。区の岡村昭雄・福祉
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