がんの患者や経験者が、日常生活や仕事で困難を抱えないようにするためには、どんな環境を整えればいいのでしょうか。新たにがんと診断される人のうち、3人に1人は20~64歳の働く世代です。今回は、おもに職場での支援について考えます。 社員の治療 復職後も支える 東京都文京区のゼネコン「松下産業」は、がん治療と仕事の両立支援に取り組んでいます。社員は約230人。過去10年間に会社の健康診断でがんが見つかり、治療をしながら仕事を継続した社員は12人。現在も7人の社員が、がんの治療をしながら仕事を続けています。 2013年に採用、教育・研修、子育てや介護支援、健康管理など人に関することを一元的に取り扱う「ヒューマンリソースセンター(HRC)」を設置。松下和正社長(62)は「社員の人生全てを扱う」と話します。がんと診断された時は、ワンストップで社員の相談を受け付けます。社員が療養期間に入る前には、「安心