2017年の1年間に茨城県警が受理した行方不明者届のうち認知症だったのは371人で、統計を取り始めた12年以降で最も多かった。 高齢化の進行で増加する一方、認知症への関心が高まったことで発見されるケースも増えている。県警は引き続き、情報提供を呼びかけている。 県警生活安全総務課によると、17年の行方不明者届は2611件。このうち認知症の人は1割強を占めた。年代別でみると、70歳代のおよそ5割、80歳代以上の8割弱が認知症だった。捜索活動や、行方不明者自らが帰宅するなどして所在を確認できたのは9割超の365人だった。多くは、受理当日に見つかっている。 一方、捜索など警察活動による認知症の行方不明者の発見率も年々上がっており、17年は過去最高の69・3%で、警察犬の出動も前年比31件増の99件に上った。 市民からの情報提供による発見例も増えている。交通事故に遭いそうな徘徊(はいかい)高齢者など
今年4月に京都で開かれた認知症国際会議では、「テクノロジーと認知症」をテーマにしたセミナーがあった。オーストラリア・アルツハイマー協会は、認知症の人の世界を仮想現実(VR)で疑似体験できるキットを紹介した。「認知症の人が日常生活のどんなところで困るのかを体験できるテクノロジーで、認知症への理解を深めることに役立ちます」(マリー・マカビー代表)。 「エディ」と名付けられたVR体験キットは、ゴーグルタイプと紙箱タイプの2種類。なかでも紙箱タイプは、本格的な装置が要らず、お手軽なのが特徴だ。スマートフォンにアプリをダウンロードし、イヤホンを差した状態で専用の紙箱にセット。イヤホンを着けて箱をのぞき込めば、認知症がある「エディ」という人物の目を通し、認知症の人が困惑する様々な事態の一例を疑似体験できる仕掛けになっている。 記者も会議後に手持ちのスマホで試してみた。紙箱は購入する必要があるが(15豪
自分が今どこにいるか分からない。いないはずの人が立っているように見える――。こうした認知症の人の症状を体験できるバーチャルリアリティー(VR、仮想現実)の映像を、千葉県浦安市の会社が作って体験会を開いている。認知症の人への理解を深めてもらいたいとの願いからで、社員研修に採り入れる会社も出てきた。 社会のまなざし変えたい 「わぁー」。VRの映像を映すゴーグル型機器とヘッドホンをつけた若者たちが、板でつくった段から下りようとした瞬間、悲鳴を上げた。映し出されていたのは、3階建ての建物の屋上から落とされそうになる場面。落ちたと思った瞬間、ワゴン車の後部座席から降りた場面に変わった。 10月末、千葉県船橋市のサービス付き高齢者向け住宅「銀木犀(ぎんもくせい)」であったVR体験会に、慶応大商学部のゼミ生12人が参加した。体験会を開いたのは銀木犀を首都圏で展開する「シルバーウッド」。屋上の場面は、認知
認知症専門サイト「認知症ねっと」が埼玉県と連携し、認知症サポーターのためのボランティア情報サイト「オレンジ広場」を開設 [株式会社エス・エム・エス] 介護・医療の情報サービスを提供する株式会社エス・エム・エス(代表取締役社長:後藤夏樹、東証一部上場、以下「当社」)が運営する日本最大級の認知症専門サイト「認知症ねっと」は、埼玉県と連携し、認知症に関連するボランティア情報を掲載するインターネットサイト「オレンジ広場」を開設しました。これは埼玉県内で認知症サポーターとなった人々の活躍・推進を目的とし、気軽に参加・活動することのできるボランティア情報を発信しています。 このサイトを通じて、認知症サポーターによる、認知症の人やその家族への支援活動を促進していきます。 「オレンジ広場」はこちら→ http://orange_hiroba.ninchisho.net/11/ 【 認知症 サポーター
名古屋工業大学(以下、名工大)は、認知症などの理由で徘徊する高齢者を見つけるシステムを研究、開発するために、愛知県大府市内で実証実験を行う。実験は2014年度から始まり、今回が3年目。今回の実験は10月14日からスタートしており、期間は2017年2月末まで。 大府市は、健康、医療、福祉、介護施設が集積しているあいち健康の森とその周辺地区で健康長寿の一大拠点の形成をめざす「ウェルネスバレー構想」を掲げている。市は、同構想の一環として、高齢社会の課題解決につながる先駆的な取り組みであるこの実証を支援している。 今回の実験では、地域に設置した固定型受信機による位置情報の取得と、徘徊捜索模擬訓練時のシステム活用について実証を行う。 具体的には、位置情報取得の実証は、市の共和西自治区の協力を得て、地区の公共施設や商店など16カ所に固定型受信機を設置。地区の住民10人にセンサーを配布し、外出の際にセン
認知症の人や家族、支援者らがたすきをつないで日本を縦断するランニングイベント「RUN伴(ランとも)」。そのプロモーション映像作品が完成した。映像やWEB制作、音楽など各分野の新進クリエーターたちが協力してつくった。何人もの認知症の人が自分の言葉で思いを語り、笑顔で走りだす。「認知症だからできないと思われたくない」。そんな気持ちも伝わってくる作品だ。 ウェブサイトで公開されている(http://runtomorrow.jp/)。 RUN伴は2011年に北海道の函館―札幌間からはじまった。NPO法人「認知症フレンドシップクラブ」が主催する。認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを掲げて活動する。各地で希望者が手をあげ、昨年は北海道から福岡県まで約3千キロを、約8千人がたすきをつないで走ったという。 同クラブの岡田誠さん(富士通研究所)はプロモーション映像制作の狙いをこう話す。「若いクリエー
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く