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ブックマーク / www.kosho.or.jp (5)

  • 日本の古本屋 / メールマガジン 松浦武四郎記念館 旅と蒐集に生きた奇人【書庫拝見25】

    2月29日。朝、東京から新幹線に乗り、名古屋で在来線に乗り換えて、松阪駅に着いた。 大学3年生のとき、民俗学研究会の調査で三重県と和歌山県の県境にある集落に何度か滞在した。その際、名松線の乗り換えで松阪は通っているが、町なかを歩いた記憶はあまりない。一度だけ、ひとりで松阪の商人宿みたいなところに泊まったことがあるが、10時過ぎると玄関を閉められて外に出ることはできなかった。それから、もう35年が経つ。 松阪駅では山﨑範子さんが出迎えてくれる。『地域雑誌 谷中・根津・千駄木』を発行した谷根千工房のメンバーだが、昨年この地に移住した。いまは松坂城の近くに並ぶ〈御城番屋敷〉という重要文化財の武家屋敷の一区画にお住まいで、私も泊めてもらう。ここを拠点に、松阪の3つの資料館の書庫を取材するのだ。 荷物を置かせてもらって、松阪駅から近鉄で伊勢中川駅へ。ロータリーで待っていると、 車が迎えに来てくれる。

    vox_populi
    vox_populi 2024/05/10
    松浦武四郎という人物が実はものすごく精力的な人士だったということを様々な資料から伝える良記事。ものすごく長文でもある。
  • 日本の古本屋 / 『証言・満州キリスト教開拓村  国策移民迎合の果てに』

    1868年の明治維新以降、日は西欧にならって帝国主義国家路線を採りました。韓国を併合すると、さらなる領土拡張の欲望やみ難く、日海を渡り、1931年の、奉天(今の瀋陽)近くの鉄道爆破を契機として、満州全土(現在の中国東北部)を日の「生命線」化していき、 翌年、傀儡国家「満州国」を建国しました。そして占領地全体に、国策として、日土から開拓団を次々に送り込みました。移民です。その中に、2つのキリスト教開拓団がありました。キリスト教界も国策に迎合したのです。 書の「証言」は、その2つの開拓団の団員であった方たちから、筆者が直にお聞きして 書き留めた言葉です。戦後沈黙してきた時間があまりにも長かったので、沈黙を破ると、 敗戦時の悲惨な記憶がほとばしり出るのでした。満州での暮らしは現代に少しも伝わって いないと確信し、筆者は夢中で書きとどめていきました。全体像をできる限り描き出すのは、 わ

  • 日本の古本屋 / 自著を語る97 『立花隆の書棚』について

    このを書きあげて、つくづく思ったことは、私がどれほど古書店とつながりが古いかということだ。 全書棚を撮影したカメラマンの見立てによると、蔵書数はざっと10万冊くらいだろうといっていたが、その半分以上が、古書店で買ったものだと思う。新刊のを思う存分買えるようになったのは、比較的最近 のこと(特に書評をするようになって新刊書の購入代金を出版社に請求できるようになってから)で、若い頃はそんなに金がなかったから、大半は古書店で買っていた。 私と古書店の付き合いは古い。だから古書通信も相当前から読んでいた。神保町に足しげく通うようになったのは、高校生になってからだから、昭和三十二年からだ(この年に上京して都立上野高校に入った)。 最初に神保町に行ったのは、を買うためではなく、を売るためだった。父親が出版業界新聞・書評新聞の仕事(「全国出版新聞」→「週刊読書人」)を終戦直後からずっとやっていた

    vox_populi
    vox_populi 2024/04/30
    「つくづく思ったことは、私がどれほど古書店とつながりが古いかということだ。全書棚を撮影したカメラマンによると蔵書数はざっと10万冊といっていたが、半分以上が古書店で買ったものだと思う」。散文的自著語り。
  • 日本の古本屋 / 第20回 伊藤嘉孝さん 古本から新刊を生み出すひと

    私自身もそうであるように、編集者には古好きであることが結果として仕事につながっている人がいる。なかでも、会社じたいが古マニアの巣窟ではないかと疑われるのが国書刊行会だ。絶版になったや稀覯を資料として、復刊、アンソロジー、全集などを刊行している。 今回はその国書刊行会の若手代表(?)として、伊藤嘉孝さんに話を聞いた。同社で武術、民俗学、考古学などのを企画し、新しい路線をつくっている。 「これまでの古との付き合いが、すべて仕事につながっている気がします」と語る伊藤さんに古遍歴を聞いた。 伊藤さんは1978年、岩手県盛岡市生まれ。父は銀行員。両親との3人家族。 「父が40歳を過ぎて生まれた一人っ子だったので、甘やかされました。両親ははあまり読みませんが、はいいものだという思いがあって、私には自由にを読ませてくれました」 小学校に入ると、近所にあった〈高松堂書店〉に通う。店の床

    vox_populi
    vox_populi 2020/09/10
    「現在は中央線沿線に住み、近所の古本屋を毎日のように覗く。今年4月に荻窪の〈ささま書店〉が閉店すると聞いたときには、1週間で3回行った」。そうか、中央線沿いのささま書店も閉店したか。昔はよく行ったが。
  • 日本の古本屋 / 『出版の崩壊とアマゾン』で訴えたかったこと

    公取委による再販制の廃止要求は、一九七八年の橋口公取委員長の発言に端を発する。しかしこの発言は突然出たものではなく伏線があった。オイルショックによる狂乱物価の下で、出版界はそれまでの奥付定価表示を止めカバーによる値上げをはじめ、さらにはシールを張って値上げを繰り返した。これに大学生協連や消費者団体が怒り、当時の樋口公取委課長が問題にし、こうした安易な値上げ方法が横行する背景に再販制度があるとして橋口発言につながる。 出版界と公取委の交渉で、部分再販・時限再販を認めた現行の再販制度が一九八〇年に発足する。これが再販制度存廃をめぐる第一期といえ、ここまでの廃止論には耳を傾けるべきものがあった。 第二期は、一九八九年に始まる。日米貿易摩擦にともなう米国の一方的な再販制度と大店法の廃止要求である。まず指定再販品目が全廃され大店法が緩和され、法定再販の著作物再販に及んできた。出版・新聞・レコード業界

    vox_populi
    vox_populi 2018/12/25
    「電子書籍は再販品目に追加指定されず、出版社は窮地に追い込まれた。14年の著作権法改正では紙と電子の一体的な出版権を勝ち取れず、電子についてはアマゾンなどプラットフォーマーが単独で出版することも可能」。
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