「青木ヶ原樹海で自殺をしたいと考えているのですが、もしよろしければ樹海を案内してもらえませんか?」…ルポライター・村田らむ氏に届いた、見知らぬ女性からのダイレクトメッセージ。 彼女と村田氏、そして樹海に詳しい友人で樹海を潜ることになったが、3人で行動をともにするに連れて、女性に大きな変化が訪れる……。いったい何が女性の自殺願望を消し去ったのか? 村田らむ氏の新刊『にっぽんダークサイド見聞録』(産業編集センター)より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2、#3を読む) 念の為、いつも入り口にしている富岳風穴や鳴沢氷穴はやめて、目立たない場所にある登山道から入ることにした。 つまり、“樹海の中で死にたいと思っているAさん”と“樹海で死体を探すのを趣味にしているKさん”と“樹海のルポを書く俺”の3人で樹海に入っていったのだ。 Aさんは樹海の中を歩きながら、ロープを吊るせる枝を探している。