拡大 券売機を利用するには助けが必要な古賀稔章さん(手前)。吉浦美和さん(後方右)は「ひと手間が苦痛なんです」=9月28日、福岡市東区の地下鉄貝塚駅 福岡市が昨夏から重い障害者向けに交付を始めた「交通用福祉ICカード」。従来は無料で市営地下鉄を利用できた「福祉乗車証」の発行を取りやめ、切り替えを進めている移動支援策の一つだが、「気持ちがへこんでいます…」。車椅子で生活している女性から、そんな相談が寄せられた。 バスや西鉄、JRでも使えるようになった半面、その対象者も利用額も限定。だがそんな負担増だけが、もどかしさの理由ではないという。「とにかく使い勝手が悪いんです」-。 ◇ ◇ 相談者は、福岡県内の車椅子利用者でつくる「電車にのるぞ障害者の会」代表の吉浦美和さん(64)=同市南区。昨年7月の「市政だより」を読み、制度が変わることを知った。 福祉乗車証は身体障害者手帳1~3級の所持者な