下流老人という問題提起ちょうど4年前の今ごろになる。 僕は「下流老人」という著作を出版し、現在の高齢者の生活困窮ぶり、将来の年金生活者の暮らしの悲惨さを予測した。 この著作はベストセラーとなり、「下流老人」という言葉は当時のユーキャン流行語大賞にもノミネートされたほどだった。 団塊世代が高齢者になったこともあり、多くの読者に老後の生活の大変さがリアルに伝わり、非常に関心も高いテーマだった。 「下流老人」では、普通の生活をしている人々が老後に、ふとしたことで簡単に生活困窮に陥ってしまう様子を描いた。 別に怠けていたり、無計画なのではない。普通に暮らしていて年金保険料も支払っている人々のところに貧困が現れる。 それほど現行の年金制度では老後の暮らしを保障する機能が弱っているという指摘だった。 2015年以降、この問題提起などを受けて、政府は低年金高齢者などに臨時特例給付金を配付する政策を実施し