グローバル化が急速に進む中、われわれは「日本人とは何者で、日本とはどんな国なのか」という問いに直面しています。 この連載では、米国で18年間を過ごし、財務官僚、首相補佐官として、政治の最前線を見てきた著者が、自らの経験や日本の歴史を踏まえながら、日本に今必要な「物語」とは何かを考えます。 前回の内容を要約すると、次のとおりになります。「財政再建のように国民の犠牲(税負担)を伴う課題を解決するためには、『愛国心」が不可欠である。その『愛国心」を育むためには、国家と国民に対して愛着を持ちうるような『国家の物語』が不可欠である」 図式化すれば、以下のようになります。 「自己犠牲を伴う改革のためには→愛国心」 「愛国心のためには→国家の物語」 今回の連載では、生命の自己犠牲をともなう、防衛の観点から、愛国心について考えてみます。 石原都知事の行動はなぜ問題だったのか? 昨年の9月から、私は、第二次