菅首相が地銀再編に踏み込む姿勢をみせています。地銀再生は地方経済活性化の第一歩となりますが、なぜこれまで放置されてきたのでしょうか。 小栗直登氏(以下、小栗氏):地銀改革は長年の懸案ですが実行に移すのが遅すぎた感があります。課題となっているのは銀行数の多さ、「オーバーバンキング」です。10年前ならまだ残っていた地銀再編のメリットも、現在ではほとんどありません。 近年はインターネットバンキングの普及により経営資源の軽量化が進んでいます。そこで地銀が一緒になっても固定費用が重くなるだけです。そもそも、この10年で地銀の体力は大幅にそがれました。これほど市場環境が悪い状況で合併を促しても、他行を吸収する体力を残した地銀はほとんどありません。 地銀再生の動きは過去から続いていますが、自発的に改革に取り組む地銀が少なかった。高度経済成長期のビジネスモデルから脱却できなかったからです。 かつては国が金