・『「赤」の誘惑』読了。面白かったけど、さっぱり納得しない。 ・上村忠男『無調のアンサンブル』。何度か言及されているマッシモ・カッチャーリによるカフカ「法の前に」解釈(『法のイコン』未訳)が斬新。 ・千野帽子『文學少女の友』。千野氏の正体が蓮実本でも何度か槍玉に上げられているマリー=ロール・ライアン『可能世界・人工知能・物語理論』(ちなみにとても面白い本だと僕は思います、厚いし高いけど)の訳者である岩松正洋氏ということは周知の秘密(?)。収録テキストの殆どは雑誌初出時に読んだことがあったけど、こうして纏まったのを通読してみると、岩松=千野氏の見事なまでの「元・文學少女」をターゲットにした聡明なマーケット・リサーチぶりが伺えて非常に勉強になる。ミステリをネタにした「木曜日」のパートは探偵小説研究会の会誌「CRITICA」に寄せた原稿だが、それで読んだ時にも思ったのだが、思いっきり他の記事から