アメリカの株価が先週の半ばから下振れの様相を強め、米ドル円相場を押し下げるとともに、日本株にも悪影響を与えた。そうした相場動向の背景については、多くの解説がなされているが、筆者は、相場変調の理由について一番正しい説明は、「これまでのアメリカの株式市場が過度の楽観に依存し高値にあったが、そうした危うい期待がようやく剥落しつつあり、株式市場が正常な状態に向かい始めたためだ」だと考えている。 「正常化」への動きが進みはじめた 「過度の楽観」というのは、たとえばアメリカの企業収益動向について、悪い材料は無視し、虫のよい期待に頼っていたことを指す。足元で4~6月期の決算発表がかなり進んだ。個別には、キャタピラーやボーイング、アマゾン・ドット・コムなど、決算内容(見通し含む)に対する失望から発表直後の株価が「正しく」下振れしたものもあったが、全体としては決算悪を無視して株価指数が少し前まで高値更新を続