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ブックマーク / book.asahi.com (24)

  • すばる文学賞・大田ステファニー歓人さん 1文字も書かないで「概念小説家」やってました 連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#6|好書好日

    第47回すばる文学賞 受賞作品「みどりいせき」 学校に馴染めず不登校気味の高校2年生の「僕」は小学校時代にバッテリーを組んでいたピッチャーの 春と再会し、知らないうちに怪しいビジネスの手伝いをすることに。隠語と煙で充満する隠れ家でグミ氏やラメちたちとつるみ、不健全で抗いがたい、鮮烈な青春にまみれていく――。 ふぁにーちゃんって呼んで 受賞の言葉にまず驚いた。 「どもう、ステファニーだお このたび、わらいありなみだありのすったもんだのすえ、スーパーすばるちゃん人形を手にしました。次はクリスタルすばるちゃん人形をゲトりたいので、グットシット期待してね。」 な、なんなんだ、この文体は⁉ 続いて受賞作「みどりいせき」を読んで、また驚いた。受賞の言葉×100の自由すぎる文体が完成度をもって最後まで貫かれていたからだ。そして、ペンネームは「大田ステファニー歓人」。 私、大田さんの話していることがちゃん

    すばる文学賞・大田ステファニー歓人さん 1文字も書かないで「概念小説家」やってました 連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#6|好書好日
  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
  • 作家・井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴…長い三角関係の心の綾 井上荒野さん「あちらにいる鬼」|好書好日

    文:瀧井朝世 写真:斉藤順子 井上荒野(いのうえ・あれの)作家 1961年生まれ。89年、「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞。2008年、『切羽へ』で直木賞、16年、『赤へ』で柴田錬三郎賞、18年、『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞。他に『夜をぶっとばせ』『キャベツ炒めに捧ぐ』など著書多数。 ――これまでも小説のなかに、お父さんである作家の井上光晴さんや、彼と恋仲であった作家の瀬戸内寂聴さんを彷彿させる人物が登場していたことはありますが、ここまでご両親や寂聴さんの関係をモデルにしてはっきりと書かれたのは、今回の『あちらにいる鬼』がはじめてですよね。 はい。4年ほど前、母が亡くなって1年くらいたった頃に、編集者からうちの父と母と寂聴さんの関係を書いてみませんか、と提案があって。その時は「無理無理」って言ったんですよ。「そんなスキャンダラスなこと書きたくない」って。それに、うちの

    作家・井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴…長い三角関係の心の綾 井上荒野さん「あちらにいる鬼」|好書好日
    arajin
    arajin 2022/04/21
    『書き進めていると突然、「あ、この女はこんな行動をするのか」「私はこんなことを考えていたのか」などと、自分でも思ってもみなかった言葉や行動が出てくることがあるんです。しかも、それですごく自分がダメー』
  • 岸政彦 編『東京の生活史』聞き手インタビュー vol.2 齋藤あおいさん|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 大学院での研究のため聞き取りをする齋藤さん 書籍情報はこちら 齋藤あおいさんが聞き手をつとめた内容見はこちら(文より冒頭部分抜粋) 溢れ出る思いをただ受け止める ――普段は大学院で社会学の研究をされているんですよね。 中国の上海をフィールドに、「坐月子(ツオユエツ)」という産後ケアの研究をしています。学部生の時に上海に留学し、そこで仲良くしてくれた方から産後養生のことを聞いて興味を持ちました。コロナで渡航できなくなるまでは、毎年上海に行って、産後ケアを経験した女性たちに聞き取りを行っていました。 ――今回の語り手にインタビューするのは初めてですか? 初めてです。友人として普通のおしゃべりしかしたことがありませんでした。自分が聞き取りをするなら中国の方がいいなとは思っていて、仲良くしてもらっている彼の顔が浮かびました。 ――研究としてやってきた聞き取りと、今回の生活史の聞

    岸政彦 編『東京の生活史』聞き手インタビュー vol.2 齋藤あおいさん|じんぶん堂
  • ヒグチユウコさんの「ニャンコ」シリーズ 日常にある普遍的な気持ちを、猫を通して繊細に描く|好書好日

    ヒグチユウコ画家・絵作家 東京都在住。東京を中心に定期的に作品を発表。近作は『ラブレター』(白泉社)。ほかにも『ギュスターヴくん』「せかいいちのねこ」シリーズ(白泉社)、『ふたりのねこ』(祥伝社)、『すきになったら』(ブロンズ新社)、『BABEL Higuchi Yuko Artworks』『ヒグチユウコ作品集』(グラフィック社)など多数の著書を出版。 息子の大事なのぬいぐるみが主人公 ――画家であるヒグチユウコさんの描くは、繊細で美しく、それでいて人間らしい温かみを持つ。絵のデビュー作となった『ふたりのねこ』(祥伝社)、そして幅広い個性を持つたちの交流を描く『せかいいちのねこ』『いらないねこ』『ほんやのねこ』(白泉社)のシリーズは、表紙の美しさに惹かれて手にとる人も多い。そして、内容を読んでその世界観に虜になってしまうのである。ぬいぐるみの「ニャンコ」が、さまざまなたちと出会

    ヒグチユウコさんの「ニャンコ」シリーズ 日常にある普遍的な気持ちを、猫を通して繊細に描く|好書好日
    arajin
    arajin 2021/07/29
    「ヒグチユウコ展「CIRCUS」福岡を巡業予定。」
  • アガサ・クリスティー作家デビュー100年 「記憶はウソをつく」から読み解く、カズオ・イシグロとの共通点|好書好日

    HOME コラム アガサ・クリスティー作家デビュー100年 「記憶はウソをつく」から読み解く、カズオ・イシグロとの共通点 文:川口あい 2020年はクリスティー記念イヤー クリスティー作品のトリックの多彩さは言うまでもない。なかでも「記憶」を手法として使うときの描写は情緒的ともいえる。 心理学者の榎博明の著書『記憶はウソをつく』によれば、記憶には、あとから書き換えられたり捏造されたりする特徴があるという。同時に人間には「想像しイメージしたことが、時を経るにつれて現実に経験した出来事の記憶の中に紛れ込んでいく」という「記憶のゆらぎ」に関する法則がある。あえてそうした「記憶」の曖昧さに耽溺する人間の哀しい性や、そこから生まれる思い込みや自己欺瞞が、クリスティー作品においても、事件の背景や犯人の動機に深みをもたせる。 「記憶」は嘘をつく 「記憶」が物語の核となるクリスティー作品の代表例といえば

    アガサ・クリスティー作家デビュー100年 「記憶はウソをつく」から読み解く、カズオ・イシグロとの共通点|好書好日
    arajin
    arajin 2020/12/21
    “そして私たちは記憶を書き換えたり忘れたりしながら、なんとか正気を保って生きていく。”
  • 差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 森山至貴(もりやま・のりたか)社会学者 1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)。 世の中の「ずるい言葉」はどこか差別に通じている ――森山さんは大学で学生さんに「自分が言われてモヤモヤした言葉」をヒアリングしたそうですね。特にどのような基準で選びましたか? 読者にとっての取っ掛かりが多いにしたかったので、特定の学問分野やジャンルの話だけにならないよう心がけました。女性差別やセクシュアルマイノリティ差別の事例だけでなく、血液型、障害者、ひとり親家庭などの話題も取り上げています。 ただ、どんな話題を選んでもやはりどこかで差別

    差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日
    arajin
    arajin 2020/10/10
    「そんな言い方じゃ聞き入れてもらえないよ」「「正しくても受け入れてやらないからね」と事実上言っているような発言のずるさ、アンフェアさ」
  • 「レンタルなんもしない人」さんは何をしてきたのか Twitterの活動記録が本に|好書好日

    文:加賀直樹 写真:斉藤順子 レンタルなんもしない人 名・森祥司。1983年生まれ。既婚、1男あり。大阪大学大学院を卒業後、数学の教材執筆や編集などの仕事をしつつ、コピーライターを目指すも、方向性の違いに気づき、いずれからも撤退。「働くことが向いていない」と判明した現在は、「レンタルなんもしない人」のサービスに専従。 ――「レンタルさん」とお呼びしましょうか。NHK「ドキュメント72時間」では、密着企画まで放送されていましたね。依頼はさまざま。「引っ越しを見送って」「離婚届の提出に立ち会って」「就活中の私に『大丈夫、きみならできる』と返信して」。そんな依頼に応えては、「なんもしない」で帰ってくるまでの感想をツイートし、15万人ものフォロワーが見守り続けていますね。 ありがとうございます。 ――そもそも最初のツイートには、こんな一節もありました。「ごく簡単なうけこたえ以外 なんもできかね

    「レンタルなんもしない人」さんは何をしてきたのか Twitterの活動記録が本に|好書好日
    arajin
    arajin 2019/05/22
    「教えてしまうと(子ども自身が)「わかった!」と感じられることを奪ってしまうんで。それで、なんもしないでいたら、クレームを受けました。保護者から。」
  • 書評:世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか - 諸富徹(京都大学教授・経済学) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書

    世界の大富豪やVIPが銀行とタックスヘイブンを利用して密かに行う巨額脱税やマネーロンダリング。その証拠を課税当局に差し出すために、スイスのプライベートバンク13万人の顧客… 世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか 「事実は小説より奇なり」とは、まさに書のことを指すのか。これは、世界最大級の銀行HSBCから、約13万人分の機密顧客リストを引き出した元行員の物語だ。各国政府によるHSBCへの訴追、巨額罰金へとつながり、スイスの銀行の守秘性に大打撃を与えた。 それにしてもなぜ、著者は巨大銀行への挑戦を決意したのか。彼はモンテカルロで育ち、銀行員の父を通して銀行とは何か知る。カジノ勤務で資金洗浄の実態を知り、資金監視の重要性を痛感した。請われてHSBCで働き始め、行内の情報システム構築に携わった彼は、「何のために」という問いに直

    書評:世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか - 諸富徹(京都大学教授・経済学) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書
    arajin
    arajin 2015/11/29
    「EU法令すら脱税を合法化し、銀行はそれを活用したサービスで儲けていたのだ。」「大統領選でサルコジが敗れオランドに代わると、捜査は再び進展しだした。」
  • 本の記事 : ルーシー・ブラックマンさん事件「15年目の真実」とは | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■著者に会いたい「黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実」 《リチャード・ロイド・パリーさん(46)》 2001年、英国人女性ルーシー・ブラックマンさんが遺体で見つかった事件。発覚当時から事件を追い続けた英国人ジャーナリストが、手記をまとめた。 当時は英インディペンデント紙の特派員。「記事になる話」としか思わなかった。だが、世の関心が薄れても、次第に夢の中にまで事件が出てくるほど入れ込んだ。イラク戦争の取材中も頭を離れることはなかった。「ただの犯罪の話ではない。私がよく知る日と英国という二つの社会が交わる物語だと思った」 初来日は16歳の時。クイズショーで優勝して得た日旅行だった。ヨーロッパとは全く異質の文化に魅了され、英国の大学卒業後、日で暮らすように。事件が起きたのは、日を「第二の家」と思い始めた頃だった。友人らの話から、ルーシーさんが日で感じた興奮と孤独が自身の

    本の記事 : ルーシー・ブラックマンさん事件「15年目の真実」とは | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    arajin
    arajin 2015/06/12
    「黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実」リチャード・ロイド・パリー(濱野大道訳、早川書房・2484円)「彼は日本に帰化した在日韓国人で、父親は貧しい移民から急激に裕福になった。」
  • 本の記事 : 『孤独のグルメ』 原作者・久住昌之が語る谷口ジロー原画の魅力とドラマ化秘話 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    『孤独のグルメ』原画 「鳥取県鳥取市市役所のスラーメン」から 「週刊SPA!」2012年5月15日号 (C)久住昌之・谷口ジロー 写真提供=米沢嘉博記念図書館 中年男が欲のままにひたすら一人メシを楽しむ『孤独のグルメ』が、今アツい。1月に関東地方を中心にテレビドラマが放映され、5月にDVDボックスやオリジナルサウンドトラックが発売された。 「孤独のグルメ 谷口ジロー原画展」も、9月30日まで東京・お茶の水の明治大学米沢嘉博記念図書館で無料公開中。原画の展示は珍しく必見だ。6月17日のトークショーではマンガの原作者でテレビドラマの音楽も担当した久住昌之が、谷口ジローの魅力やドラマ制作の裏話を語った。 『孤独のグルメ』原画の写真特集はこちらから ■谷口ジローが描くことで生まれる店 『孤独のグルメ』は、輸入雑貨商を営みちょっぴりダンディな井之頭五郎が、仕事の合間に実在する店でなにげない定など

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  • 【レビュー・書評】:おはよう ひで次(じ)くん! 1 [作]小田ひで次 - コミックガイド - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

  • 【レビュー・書評】:虫と歌 市川春子作品集 [作]市川春子 - コミックガイド - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    虫と歌 市川春子作品集 [作]市川春子[掲載]2009年11月29日[評者]山脇麻生(ライター)■ジャンル超えた生命の連環 例えば、海に行ったと想像してみてほしい。陽(ひ)にあたり、波と戯れ、氷をべたあとに波打ち際で小さく輝く桜色の貝殻を見つけたとしたら、その日の体験は通り一遍を抜け出し、自分だけの思い出として色を帯びて心に刻まれるだろう。市川春子の初単行には、そんな桜貝のような淡い色彩が無尽蔵に潜んでいる。全編モノクロームであるにもかかわらず!! 自分の指から生まれた妹に特別な感情を抱く兄を描いた「星の恋人」、飛行機事故に遭い、奇跡的に生存した2人の中学生の突然の別れを描いた「ヴァイオライト」、3人の兄妹が暮らす家に舞い込んできた虫であり、弟でもあるシロウ。はかなく終わりを告げる4人の共同生活を描いた四季賞受賞作「虫と歌」。書に収められた4編のなかでも秀逸なのは、高校球児の雪輝とヒ

  • asahi.com(朝日新聞社):出版業界の流通革命?返品改善へ「責任販売制」広がる - 出版ニュース - BOOK

    出版業界の流通革命?返品改善へ「責任販売制」広がる2009年6月22日 小学館、講談社、筑摩書房など大手・中堅の出版社10社が、新たな販売方法「責任販売制」に乗り出した。定価に占める書店の取り分を現行の22〜23%から35%に上げる代わりに、返品する際の負担を書店に求める制度だ。出版不況の中、長年の懸案だった4割に及ぶ返品率を改善する狙いがある。 高い返品率の背景にあるのが出版業界の慣行となっている「委託販売制」。書店は売れなかったを返品する際、仕入れ値と同額で出版社に引き取ってもらえる。多様なを店頭に並べられる利点があるが、出版社の負担は大きい。 小学館は昨年11月に税込み6300円で発売した「ホームメディカ新版 家庭医学大事典」(現・6825円)で、書店の取り分22%の委託販売制と35%の責任販売制のどちらかを書店が選べるようにした。返品を定価の30%の額でしか引き取らない責任販売

  • 【レビュー・書評】:アイアムアヒーロー 1 [作]花沢健吾 - コミックガイド - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

  • asahi.com(朝日新聞社):ミツバチのキス 1 [作]伊図透 - コミックガイド - BOOK

    ミツバチのキス 1 [作]伊図透[掲載]2009年2月15日[評者]山脇麻生 触れるだけで、その人の意識にのぼるあらゆるものと無意識下に潜む膨大なイメージが、整理されていない状態でドッと流れ込み、結果、未来まで見えてしまう。そんな望まぬ能力のため家族は崩壊、居場所を求めて入信した新興宗教にも利用されてしまう少女・慧(けい)。特異能力を持つ者の孤独と、その能力を巡り、渦巻く陰謀と思惑を描いた作は、漫画アクション新人賞出身の著者による連載第1作。新人とは思えぬ画力と構成力に加え、随所にちりばめられた心に響くネームのセンスにも要注目だ。 宗教団体の施設から逃走、地方に潜伏し、工員として働く慧。他人に期待することをあきらめ、それでも誰かを信じずにいられない複雑なマインドを抱えた彼女の前に、その能力を諜報(ちょうほう)活動の切り札として取り込もうと画策する国家機関の影が忍び寄る。そのひとり、駿河は

  • asahi.com(朝日新聞社):ビーム短編傑作選 奥村編集長セレクション [作]入江喜和ほか - コミックガイド - BOOK

  • asahi.com(朝日新聞社):新・自虐の詩 ロボット小雪 [作]業田良家 - コミックガイド - BOOK

    新・自虐の詩 ロボット小雪 [作]業田良家[掲載]2008年8月24日[評者]山脇麻生 人が人型の恋人ロボットと同居する近未来。どこか変だけれど、実現しそうにも思える世界を生きる高校生・拓郎が所有しているロボット小雪は、洗濯物もロクにたためない旧型。だけど、失敗を温かく受け止めてくれる人々と共に、楽しい日々を送っている。 物語の前半に描かれているのは、平穏な日常だが、しばしば挿入される“向こう岸の街”のエピソードは、「平和の裏側で、何かヤバイことが起こっている」と読者の背中にゾゾゾとしたものを這(は)い登らせる。 物語の後半、拓郎の友人一家が向こう岸に行くことを余儀なくされるのをきっかけに、小雪に大きな変化が現れ始める。強い感情を持ち、事実を繋(つな)げて思索し、行動し始めるのだ。小雪の覚醒(かくせい)と同時に描かれるのは、向こう岸の現実。そこは、格差が進んだ社会の底辺で、救いようのない貧

  • asahi.com(朝日新聞社):のぼうの城 [著]和田竜 - 売れてる本 - BOOK