ロシアのウラジミール・プーチン大統領が3月23日、「非友好国が支払う天然ガス代金はルーブルに限る」と発表した。この発表はドイツの経済界をパニックに陥れ、ガスという「ものづくり大国」の血液が人質に取られた実態を浮き彫りにした。 ドイツのエネルギー企業とロシアの国営企業ガスプロムとの間のガス購入契約によると、ドイツ側はガス代金をユーロまたはドルでガスプロムに払うことになっている。これまでドイツなど西欧諸国に供給されるロシア産ガスの代金の60%がユーロで、40%がドルで支払われてきた。 プーチン大統領の発表がドイツを困惑させたのは、ドイツ企業がルーブルをロシアの銀行から調達できないことが理由だ。EUが取り組む経済制裁措置により、ドイツ企業はロシアの大半の銀行との取引を禁じられている。 このため主要7カ国(G7)は3月28日、「ガス代金の支払いをルーブルに限るというロシア政府の決定は契約違反であり