北の“中枢”を目撃した寿司職人 2003年、藤本健二氏が、著書『金正日の料理人 間近で見た権力者の素顔』(扶桑社)を上梓すると、たちまち多くの注目を集めた。 *** 速報「逃げる場所なんかない」「自宅で死ねば本望」 ガザ地区から阿鼻叫喚の緊迫証言 テレビの報道・情報番組から引っ張りだことなった。頭にバンダナを巻き、サングラスを掛けて出演した姿をご記憶の方も多いだろう。そもそも藤本健二という名前はペンネーム。プロフィールも1947年生まれとしか明かしていない。 寿司職人だったことから、82年に北朝鮮へ渡った。まだ金日成(1912~1994)が存命で、国の最高指導者として君臨していた時代。 給料は50万円。現地で藤本の寿司は評価され、金日成の息子である金正日(1941~2011)のために握ることになったという。 後に藤本氏は、金正日から「この魚は何か?」とマグロについて質問された時のことを振り