北アルプスで山岳救助中だった岐阜県の防災ヘリ「若鮎Ⅱ」が墜落し、乗員3人が死亡した事故から10年。事故後の調査で、北アルプスでの救助訓練の経験がなかったことが判明。事故で亡くなった後藤敦さん(当時34)の遺族は「なぜ、出動を止めることができなかったのか」と問い続けている。 奥穂高岳のジャンダルム(標高3163メートル)で、岐阜県の防災ヘリが墜落し、県防災航空隊に所属していた機長で操縦士の朝倉仁さん、整備士の三好秀穂さん、副隊長の後藤敦さんが亡くなった。岐阜県警は2011年3月、機長ら4人を業務上過失致死の疑いで書類送検し、岐阜地検が不起訴処分とした。 同県笠松町の救急隊員だった敦さんは事故当時、県防災航空隊に出向。防災ヘリで空からの救助や消防活動にあたっていた。 事故があった2009年9月11日。県防災航空センターは、北アルプス奥穂高岳の難所・ジャンダルムで「男性が登山中に倒れた」と119
山岳救助に活躍してきた県所有のヘリコプター「しんしゅう」が31日、県営松本空港(松本市)でラストフライトを行い引退した。1980(昭和55)年発足の県警航空隊で運用されたヘリの中では最長となる25年間稼働し、500人超を救助。航空隊の発足時からの唯一の隊員で整備士の山崎豊さん(65)はこの日が自身の退職とも重なり、危険な山岳環境で性能ぎりぎりの飛行を続けながらも無事故を貫いた愛機に感謝した。 バラ、バラ、バラ…。小気味よいローター音を響かせてラストフライトを終え、松本空港に戻ってきた「しんしゅう」。搭乗していた山崎さんは、地上に降り立つと名残惜しそうに機体を見つめた。89年に県が導入し、県警航空隊が運用。同隊の2機目のヘリだった。 「気候に合わせて微妙な調整が必要だった」と山崎さん。3千メートル級の山岳地は酸素濃度が薄く、推進力を得にくい。フルパワーでの飛行が増え、エンジンの負担は大き
富士山の御殿場口登山道で京都府のグループ男女4人が滑落した事故で、静岡市消防局は4日、救助隊員が京都市南区、教諭高橋美明(よしあき)さん(55)をヘリにつり上げるため救命用具を装着した際、高橋さんの股下に補助ベルトを通していなかったことを明らかにした。 同局によると、隊員は1日午後、高橋さんにベルトの装着を試みたが、胸から足先まで緊急用の保温シートが巻かれていたため股の間にベルトを通すことができなかったという。高橋さんはつり上げられた際に救命用具が外れ、約3メートルの高さから落下。2日に心肺停止状態で発見され、その後死亡が確認された。同局は事故調査委員会を月内に設置し、原因を調べる。 一方、静岡県警は4日、高橋さんの死因は胸部、頭部の損傷と凍死と発表した。落下との関係は不明という。もう1人の京都市中京区、大工矢野利明さん(61)の死因は全身を強く打ったことによる多発損傷だった。
富士山御殿場ルートの9・5合目付近で男女4人が滑落した事故で、2日午前10時すぎ、行方不明になっていた男性を静岡県警のヘリコプターが救助した。50代とみられ、心肺停止の状態。その後、1日夜に心肺停止の状態で見つかっていた男性も県警のヘリに救助された。2人とも同県御殿場市内の病院に運ばれた。 行方不明になっていた男性について、静岡市消防局は2日、1日午後の救助中にこの男性をヘリでつり上げた際、用具が外れて高さ3メートルから男性が落下していたことを明らかにした。この時点では男性は言葉は発せないが、手を動かして反応していたという。 再度つり上げようとしたが気流が安定せず、隊員の体力の消耗が激しかったため、断念したという。その後、県警救助隊が現場付近にたどり着いたが、行方がわからなくなっていた。 静岡市消防局は会見で「本来あってはならないこと。誠に申し訳なく思っている」と述べた。 4人が所属する京
静岡市消防局は、事故の状況を検証のため再現した。救助隊員2人がかりでヘリに引き上げようとしたところ、要救護者を支えていた黄色いつり上げ金具が外れて、落下したという=1日、静岡市葵区の静岡ヘリポート(静岡市提供) 京都府の登山グループ4人が富士山の山頂付近から滑落した事故で、静岡県警は2日、心肺停止状態の男性2人をヘリコプターで収容し、搬送先の病院で死亡を確認した。4人が所属する京都府勤労者山岳連盟によると、矢野利明さん(61)と高橋美明さん(55)の2人とみられる。 静岡市は2日、1日に消防ヘリコプターで1人をつり上げて救助しようとした際、地上3メートルの高さから誤って落下させたと明らかにした。 県警御殿場署によると、山岳遭難救助隊が午前6時ごろから捜索を再開、1日夜から行方不明だった高橋さんとみられる男性を心肺停止状態で発見、1日に発見された矢野さんとみられる男性と別々に搬送した。 同署
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