近年の登山ブームに伴い、県内でも登山者が増加し、遭難事故も相次いでいる。険しい地形での活動となる山岳遭難救助には専門的な技術や知識が必要で、救助に携わる警察官の人材育成が喫緊の課題だ。県警は昨春、本部の地域課内に山岳警備係を新設し、救助技術の向上を図っている。 「反対側のロープに余裕を持たせて結ぶのがポイントです」。今月上旬、いなべ市の藤原岳であった山岳救助訓練。県警地域課山岳警備係長の山岡瑛司警部補(31)が、救助現場で必要となる基本の結び方をいなべ署地域課の古市大値巡査長(34)に実践してみせた。 大学ではワンダーフォーゲル部に所属するなど、登山経験は豊富な古市巡査長も「(ロープの結び方は)未経験なので難しい」と真剣な表情で山岡警部補の手元を見つめる。足場が悪い尾根での安全確保やロープを使った上り下りの方法など、救助現場を想定した訓練が続いた。