「月をなめるな」 『その日の試験は“グループディスカッション”でした。 採用希望者が何人か集まって、与えられたテーマについて議論する。 審査官は黙ってその様子をチェックする、という試験です。 私が部屋に入ると、そこには一人の審査官と、7人の大学生がいました。 最初に全員の自己紹介。いわゆる“名門大学”の学生も何人か混じっていたのを覚えています。 自己紹介が終わると、審査官は一枚の紙を全員に配りました。そこに記されていたのは以下のリストです。 ・酸素ボンベ(40kg×8) ・飲料水(30L×8) ・パラシュート ・4平方メートルの白い布 ・ビスケット ・粉ミルク ・非常用信号弾 ・宇宙食 ・ライター ・45口径の拳銃 ・方位磁石 ・無線機(受信のみ) ・救急用医療セット なんだこりゃ、と私が顔をあげると、審査官は宣言しました。 「あなた方8人が乗っていた宇宙船が故障し、月面に不時着することに