東京都は、「救急医等専門研修事業」を始める。精神疾患と身体疾患を併せ持った救急患者を受け入れる環境を整えることが目的で、医師や看護師、救急隊員などを対象にした研修を3月24日に開催する。救急告示医療機関における自殺未遂者や過量服薬などへの対応力の強化を図りたい考えだ。【新井哉】 精神疾患を併せ持った救急患者の搬送をめぐっては、ケースによっては精神科医による対応が必要になるため、患者の受け入れが可能な医療機関を探すのに時間がかかっているのが実情だ。 特に精神科のない救急告示医療機関に患者が...
9月10日は「世界自殺予防デー」。NPO法人「東京英語いのちの電話(tell)」は、前日の9日午後10時半から、24時間態勢の相談受け付けをスタートする。 東京英語いのちの電話は、1973年設立。在日外国人を対象に、無料電話相談や臨床心理士によるカウンセリングをしてきた。「死にたい」「性暴力にあったがどうしたらいいのか」など、年間約7000件の悩みに向き合う。最近は「英語で話す方が感情が伝わりやすい」と外国で暮らした経験がある日本人の相談も増えている。 電話相談は、訓練を受けたボランティアが、午前9時~午後11時の間にシフトを交代しながら対応してきた。だが、自殺を考える人は深夜から早朝の時間帯が多いと言われており、24時間態勢の構築が急務として、検討を重ねてきた。その結果、相談員が夜間に事務所へ来なくても対応できるように、当面、土曜日の午後10時半~午前9時の間、事務所の電話ではなく、ホー
切り立った岸壁の足元に黒潮がぶつかり、白い波しぶきを立てている。あと数歩先に踏み出せば、男性(46)の体はその波間に吸い込まれていただろう。「怖い」。足がすくみ、「決意」が揺らぐ。3時間ほど、その場をさまよったはずだ。4年前のその時の記憶は鮮明ではないが、確かなことが一つある。生と死の間で男性は、電話ボックスと聖書などの言葉が書かれた看板を目にした。 「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしは、あなたを愛している」「重大な決断をするまえに一度是非ご相談ください 連絡をお待ちしています」 高さ50~60メートルの屹立した断崖と青い海が美しい和歌山県白浜町の三段壁(さんだんべき)。観光地として知られるこの場所を、人生の最期の地に選ぶ人たちがいる。この男性もそうだった。しかし、「三段壁いのちの電話」の看板を見て、受話器を手にした。電話はNPO法人「白浜レスキューネットワーク」につながった。す
山間部は自殺率が高く、離島は低い−−。政府が31日閣議決定した自殺対策白書で、こんな説が示された。山間部でも傾斜がきついほど自殺率が高まり、平野部より病院や自治体職員などの「社会的資源」が少ないことに加え、近所づきあいが少ないことが影響しているとみられる。離島も社会的資源は少ないものの、人間関係が濃密なため、問題を抱えたまま孤立しにくいと指摘した。 白書を作成した厚生労働省は、自治体に傾斜地がどの程度あるかを示す「傾斜度」を用いて分析した。すると傾斜度が高くなるにつれて、年齢構成の偏りを補正した自殺率も上昇し、傾斜度30度以上では自殺率は134.0(全国民平均が100)に達した。傾斜度が5度未満の平野部は104.4だった。傾斜度が高いと宅地が乏しく、隣人との接触も少ないとみられる。
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