海が見える家で待ってるよ――。暴力団から離れ、少年たちの立ち直りを支援してきた牧師がいる。血液のがんとの闘病を経て先月、新たな受け入れ施設を開いた。「安心して『ただいま』と言える場所を」との思いを込める。 施設は、市街地の先に大阪湾が見える高台の一軒家だ。「この眺望は『帰って来たい』と思わせる演出」と、神戸弟子教会(神戸市灘区)の牧師・森康彦さん(59)は笑う。非行や虐待被害で家庭に戻れない15歳以上の少年を3人ほど受け入れ、寝食を共にして20歳まで見守るつもりだ。 少年・少女の立ち直りを支援するNPO法人「ホザナ・ハウス」を2011年に設立。受け入れ施設は、これで3カ所目になる。今回は少年限定だが、少女用シェルターも。門限(午後10時)と消灯時間(同11時)を守れば、働いても働かなくても、勉強してもしなくてもいい。時には将来への助言を与えつつ、約50人を社会に送り出してきた。 ■洗礼受け
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虐待などを受け、親のいる家に帰ることができない子たちの一時避難所「子どもシェルター」が昨年9月、兵庫県内で初めて阪神間に開設された。おおむね15~19歳の女子が対象だが、6人の定員はすでに埋まっている。入所の要望を断ることもあるといい、運営するNPO関係者は「深刻な状況」と話す。 関係者「状況は想像以上に深刻」 「どこか行くところはないでしょうか……」 子どもシェルターを運営するNPO法人「つなご」(尼崎市)に昨秋、10代の少女から電話があった。 同法人副理事長で弁護士の曽我智史さんが本人から事情を聴くと、こう話した。「帰るところがない。助けてほしい」。背景に親からの虐待があり、シェルターへ連れて行った。 シェルターは、曽我さんらの呼びかけで昨年9月1日に開設された。民間の一軒家を借り、「こころんハウス」と名付けた。4畳半の個室が6室あり、各部屋にはベッドと布団、机を備え、1日3食を提供す
貧困や虐待、性被害などに直面した十~二十代の女性を中長期的に受け入れ、自立できるまで後押しする全国でも珍しい民間のシェルターが東京都練馬区に開設された。困難を抱えた少女らを支援してきたNPO法人「BOND(ボンド)プロジェクト」(東京)が運営。空き家を活用してスタッフが共に暮らし、一時的な保護にとどまらず、少女らを支える。 (神田要一) シェルターは二階建ての住宅で「ボンドのイエ」と名付けられ二十七日にオープン。二階には個室が二つ。常に二人が最長一年程度、生活できる。一階の部屋は短期間の入所者向けだ。 面談で保護が必要と判断されれば全国から少女らを受け入れ、スタッフが泊まり込みで食事を作る。入居時に「三カ月間」「二十歳になるまで」などと期間を相談し、少女らは月三万円の生活費を負担する。臨床心理士のカウンセリングも予定している。
家庭での虐待や非行によって居場所を失った少女を保護する「子どもシェルター」がさいたま市内で2月に開設され、4日午後6時半から、さいたま市のさいたま共済会館で設立記念集会が開かれる。シェルターを運営するのは、埼玉弁護士会有志で立ち上げたNPO法人「子どもセンター・ピッピ」。名称はひな鳥の鳴き声から、新たな旅立ちをイメージしている。 同施設は家庭の悪環境や貧困などで安定した生活ができず、緊急に居場所を必要とする20歳未満の少女が対象で、2カ月をめどに保護する。衣食住を提供しながら携帯電話の使用制限、無断外泊の禁止を通じ、風俗店や援助交際などの危険から遠ざける。さらに自立援助ホームや職場の紹介を行い、自立を後押しする。 子供の避難先では児童相談所の一時保護所があるが、18〜19歳は児童福祉法の適用外で、18歳未満でも定員や集団になじめないなどの理由で利用できない場合がある。ピッピの理事長、大倉浩
児童虐待の相談対応件数が多いのに、児童相談所(児相)が1カ所しかなかった大阪市が、北区のマンションに新しい児相をつくる計画を検討している。だが、マンション住民が計画に反対。市は児相の必要性を訴え、説明会を重ねているが、平行線のままだ。 住民「話が違う」 「児相の必要性はわかるが、ここにつくる必然性がわからない」「市は説明責任を果たしていない」 市が9月10日、北区菅原町の地上42階地下1階建てマンションで開いた住民説明会で、次々と反対意見が上がった。住民の女性(68)は「高齢者向け施設が付いているからマンションを買った。児相になるのは話が違う」と憤る。 市はこのマンションの超高層棟3階と低層棟の1~4階に、2018年度に児相を新設する検討をしている。昨年度、市の児童虐待の相談対応は4664件と全国の政令指定市で最多。しかし市の児相は中央区の1カ所しかなかった。4カ所の横浜市や3カ所の川崎市
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