政府は昨年度導入した7年以上の経験を持つ保育士に月4万円加算する処遇改善策について、夏をめどに効果を検証する方針を固めた。保育現場などから効果を疑問視する声が上がっているためだ。結果次第で制度見直しも検討する。 加算支給は、希望した私立の認可保育園が対象となる。制度を利用した園は全国の約9割にあたる市区町村にあるが、実際に何カ所の園で活用されたかまでは政府は把握していない。まずは利用率を調べた上で、制度がニーズに合致しているか調査する方針だ。 厚生労働省の調査によると、2017年の保育士の平均賃金は月22万9900円で、全産業平均より10万3900円低い。政府は待機児童問題が解消しないのは処遇に問題があり、深刻な保育士不足を招いていると判断。園長や主任になる前にも、目に見える形で昇給制度を作り、離職を防ごうと考えた。 ただ、7年以上の経験を持つ…
認可保育施設に入れない子どもが多い全国87自治体のうち9割超にあたる84自治体が、家賃の補助など保育士を確保するための取り組みを進めていることが、読売新聞の調査で分かった。 調査によると、取り組みの内容(複数回答)で最も多かったのは「家賃の補助」(48自治体)で、「給料への加算」(40自治体)、「貸付金」(13自治体)と続いた。東京都渋谷区は、区内の認可保育施設などに勤める保育士が区内に住む場合、月10万円まで家賃を補助している。沖縄県浦添市は、県外から市内の公立保育所に3年以上勤める場合、渡航費や生活費として計100万円を支給している。 また、「その他」として、金銭面以外の支援に取り組む自治体も多かった。「保育士が市内の保育所に子どもを預ける場合、優先的に利用できる」(埼玉県朝霞市、京都府京田辺市など)や、「(資格を持っているが働いていない)潜在保育士の復職支援」(東京都足立区など)とい
経済産業省は、内閣府、総務省、文部科学省及び厚生労働省の協力を得て本検討会を開催し、保育現場のICT化についての現状把握、課題抽出と、保育所と自治体間の給付事務にかかる現状把握、課題抽出、標準化に関する解決策について議論した内容を報告書として取りまとめました。今後、保育現場のICT化等に向けて、さらなる検討や制度の普及を進めていきます。 1.保育現場のICT化・自治体手続等標準化検討会について 保育現場のICT化・自治体手続等標準化検討会は、平成29年6月公表の「子育て安心プラン」において、保育士の業務負担軽減のための支援として、「ICT化に向けたシステムの標準仕様や自治体手続きの標準化を含む改善策検討のための調査研究を行う」こととされていることを踏まえ、当該内容にかかる実証事業(NEDO事業「保育事業のIoT 技術利用によるデータベース及びプラットフォームの検討」)の実施と並行して開催し
埼玉県南部の自治体が保育士の確保に本腰を入れ始めた。賃金補助などの待遇改善に加え、職場環境全体の改善を産官学で議論する協議会を設置する動きもみられる。人口が多い県南部は待機児童問題が深刻なうえ、保育士給与が比較的高い東京都心やさいたま市に近いため人材確保で後れを取りやすい。保育士の職業としての魅力を高め、離職防止にもつなげる。2017年4月1日時点の待機児童数が県内で最も多い朝霞市は、19年度
北海道は2018年度から民間の保育士を対象とした新たな研修制度を導入する。研修を一定期間受けることなどで新設された役職に就けるほか、月ごとの給与が昇給する仕組み。道は対象になる保育士は道内に約1万5千人いると推計。昇給が少なかった保育士の待遇を改善して人材を確保し、待機児童の解消につなげる狙いだ。これまで保育士の役職は一般的に、平均勤続年数が20年以上必要な園長と主任保育士だけの場合が多く、中
公益財団法人児童育成協会が、企業が開設する「企業主導型保育所」に立ち入り監査をしたところ、7割の施設が保育士の人数や保育計画などの基準を満たしていなかった。協会はホームページ上で施設名とともに監査結果を公表した。 監査は2017年5~9月、既に開園している全国の432施設を対象に協会が外部に委託して初めて実施した。その結果、協会が定めた指導・監査基準を満たさない施設は303施設で全体の70.1%を占めた。このうち、保育士や保育スタッフが足りなかったり、最低2人勤務のところを1人しか勤務していない時間帯があったりすると指摘されたのは47施設(10.8%)。23施設(5.3%)で給食のアレルギー対応マニュアルが整備されていなかった。こ…
保育士不足で休園決定=37人転園へ-横浜市 横浜市鶴見区の私立認可保育園「寺谷にこにこ保育園」が、保育士不足で来年4月に休園することが、8日までに分かった。在籍児童のうち37人が今月末までの転園を余儀なくされ、市が調整して受け入れ先を確保。保育士不足による休園は市では異例という。 市によると同園は2010年開園。0~5歳児クラスに計68人在籍している。園は今年1月、保育士不足を受け18年度の新規入所を停止したいと市に要望。在園児の保育は続ける方針を伝えていた。 しかし2月になり、新たに保育士3人が3月末で退職する意向を示した。必要な保育士数を確保できない中で採用も思うように進まず、来年4月の休園を決めた。(2018/03/08-22:56) 【社会記事一覧へ】 【アクセスランキング】
政府は6日、認可保育園に入れない待機児童の解消を進めるための子ども・子育て支援法改正案を閣議決定した。財源となる経済界の拠出金の増額や、自治体が認可園の広域利用を協議する場の設置が柱だ。4月1日の施行を目指し、通常国会で早期に成立させる方針だ。 増額する拠出金は、従業員の社会保険料の一部として企業が負担している「事業主拠出金」。社会保険料の標準報酬に対する割合の上限を、今の0・25%から0・45%に引き上げる。今年度の拠出金は0・23%分の約4千億円。新年度は約1千億円上乗せして0・29%分の約5千億円とし、さらに段階的に上げていく。 使い道についても見直す。今は児童手当や企業主導型保育所の整備費などに限っているが、保育士の人件費を中心とした認可保育園の運営費に拡大する。 また都道府県が、市区町村や…
保育士に月額5~7万円プラス「松戸手当」なぜ支給? 松戸市役所に聞く:若手の家賃補助、ベテランへの表彰も 千葉県松戸市が、市内の保育士に高額の支援金を給付する「松戸手当」がネット上で評判を呼んでいる。給付額は月額約月額5~7万円。若手の家賃補助や、ベテランへの表彰も行うという。こうした制度を取り入れた理由を、松戸市役所に聞いた。 千葉県松戸市が市内で働く保育士に、勤務施設からの給与とは別に一定額の支援金を毎月給付する「松戸手当」がネット上で評判を呼んでいる。制度がスタートしたのは昨年10月だが、あるユーザーが最近Twitterで紹介すると2万人以上が拡散。「松戸市に引っ越したい」「他の自治体も見習ってほしい」「税金の払いがいがある」――と評価する声が相次いだ。
さいたま市は20日、保育施設への就職を希望する東北地方などの学生を招き、市内の保育施設や文化・観光施設をバスで巡る「保育体感ツアー」を実施すると発表した。保育士採用の都市間競争が激しくなっており、同市内で働く楽しさや住みやすさをPRし、人材確保につなげる。東北、上越新幹線による交通アクセスがよい宮城県や福島県、新潟県を中心とした地域で、保育士を養成する大学、短大、専門学校の学生が対象。各校を通
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