自殺願望を抱く若者らに対し、SNSによる相談対応を今年度以降に実施する自治体が、全国の都道府県・政令市・県庁所在市のうち3割に上ることが、読売新聞の調査でわかった。 神奈川県座間市の9人殺害事件を受け、若者に身近なSNSの活用が急速に拡大しつつある一方、多くの自治体がノウハウや人手の不足を課題に挙げている。 調査は今年4月、都道府県、政令市、県庁所在市の計98自治体に、教育委員会をあわせた実情を聞き、全自治体が回答した。 SNS相談には無料通信アプリ「LINE(ライン)」やツイッター、フェイスブックなどで対応する方式や、相談・通報を受けられるアプリを利用する形がある。 回答によると、「実施する予定」としたのは22都道府県と9市の計31自治体。うち少なくとも22自治体は、児童生徒の自殺が多いとされる夏休み明けの今年8、9月を含む時期に行うことをすでに決めている。自殺といじめの相談対応を兼ねる
鹿児島市の県立高校1年の田中拓海さん(当時15)が2014年8月に自殺した問題で、県が進めている再調査のための第三者委員会の人選が遅れていることが、県への取材で分かった。県は日弁連など5団体に計6人の委員推薦を依頼していたが、1団体が辞退、1団体は期限の延長を申し出たという。 県によると、県は今月27日を期限に委員の推薦を各団体に2日に依頼していた。期限までに3団体から計4人の推薦を受けたが、日本児童青年精神医学会が、「推薦する態勢が整っていない」として4月中旬に推薦を辞退していたという。ほかの1団体は、推薦の期限を5月中旬まで延ばすように申し出たという。 辞退を受け、県は精神医学の分野に詳しい他の団体への推薦依頼に向けて調整している。再調査は委員の人選が決まってから開始されるといい、伊地知芳浩・学事法制課長は取材に「速やかに委員会を開けるよう準備していく」と話した。 田中さんの母親は取材
児童福祉施設で暮らす子ども間の性被害・性加害について、厚生労働省が実態調査する方針を決めた。都道府県が件数などをつかんでいても、国に報告したり公表したりする仕組みがないためだ。三重県では2008~16年度の9年間に111件あったことがわかり、実態の一端が明るみに出た。児童養護関係者は対策を求めている。 三重県のケースは、県が市民団体「みえ施設内暴力と性暴力をなくす会」(同県名張市)に開示したデータなどで明らかになった。 児童養護施設や児童自立支援施設などを合わせて児童福祉施設と呼ぶ。三重県によると、県内の児童福祉施設では、虐待などで親と暮らせない600人超の子どもが生活する。08~16年度の性被害に関わっていたのは被害者、加害者を合わせて計274人。平均すると年間に約12件、約30人が関わっていた。 12年度までの5年間の計51件については被害の概要も判明。関わったのは2~19歳の144人
「いじめ0件」の学校は、子どもや保護者から検証を求めて――。文部科学省は26日付で、各都道府県教育委員会などにこんな通知を出した。いじめはどの学校でも起こる可能性があり、「0件」は実態を正確に把握していないおそれがある、という考えからだ。 2016年度の文科省の調査では、全国の小中高校や特別支援学校で計32万件余りのいじめが確認された一方、小学校の28・2%、中学の22・4%、高校の46・8%は「0件」と答えた。通知ではこうした学校が、「0件」を子どもや保護者に公表し、把握漏れがないか確認することを要求。学校ごとに把握件数の差が大きい場合は、教委が調べることも求めている。 文科省は16日に総務省から「いじめの正確な把握に向けた教委の取り組みが不十分」などとする勧告を受けていた。通知はこの勧告を踏まえて出した。(根岸拓朗)
東京電力福島第一原発事故後、福島県から東京都に避難した住民ら17世帯47人が国と東電に総額約6億3千万円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が16日、東京地裁であった。水野有子裁判長は国と東電の責任を認定。自主避難者についても「避難は合理的な判断」として42人に計約5900万円を支払うよう命じた。 原発事故を巡る全国約30の集団訴訟では6件目の地裁判決で、国の責任を認めたのは前橋、福島、京都に続いて4件目。原告47人のうち46人が自主避難者で、賠償は1人当たり42万~308万円。東電からすでに損害に応じた賠償を受け取るなどしていた5人の請求は棄却した。 判決はまず、国と東電が津波を予見していたかを検討。福島県沖を含む広い範囲で、大津波を伴う地震の可能性を指摘した政府の「長期評価」(2002年)を「科学的に合理的」と認定した。国は06年末までに東電に津波対策を命じていれば事故を防げたのに、規制権
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