認知症の人が一人で外出したり、道に迷ったりすることを「徘徊(はいかい)」と呼んできた。だが認知症の本人からその呼び方をやめてほしいという声があがり、自治体などで「徘徊」を使わない動きが広がっている。 「目的もなく、うろうろと歩きまわること」(大辞林)、「どこともなく歩きまわること」(広辞苑)。辞書に載る「徘徊」の一般的な説明だ。 東京都町田市で活動する「認知症とともに歩む人・本人会議」メンバーで認知症の初期と診断されている生川(いくかわ)幹雄さん(68)は「徘徊と呼ばれるのは受け入れられない」と話す。散歩中に自分がどこにいるのか分からなくなった経験があるが、「私は散歩という目的があって出かけた。道がわからず怖かったが、家に帰らなければと意識していた。徘徊ではないと思う」。 認知症の本人が政策提言などに取り組む「日本認知症本人ワーキンググループ」は、2016年に公表した「本人からの提案」で、
「恍惚(こうこつ)の人」から「希望の人びと」へ:1(マンスリーコラム) 「認知症」「アルツハイマー」。この言葉を聞いて、あなたはどんなことを思いますか? 今年4月、国際アルツハイマー病協会国際会議(認知症の国際会議)が京都市で開かれ、65カ国・地域から4千人以上、認知症の本人も約200人が参加した。 オープニングに登壇した丹野智文さん(43)が語った。 「ここで私が話をしようと思った理由は、認知症になったら(人生は)終わりではない。全国にいるまだまだ不安のある当事者へ、認知症でも笑顔で元気で楽しく過ごせることを知ってもらいたかったからです」 丹野さんは、39歳でアルツハイマー型認知症と診断された元トップ営業マンで、いまも仙台市で事務職として働きながら講演活動を続けている。 こうして人前で話すと「特別な人」と思われがちだが、丹野さんは診断後、「認知症=終わり」だと思い、不安や恐怖から、夜は泣
2025年には5人に1人、全国で700万人にも達すると言われる認知症。そんな中、4月26日から4日間にわたり、世界各国から認知症の人や家族、専門家ら4000人が集まる「第32回・国際アルツハイマー病協会・国際会議」が京都市で開かれた。会議では、各国の認知症対策、最新の治療や予防、まちづくり、認知症と災害などについて意見が交わされた。今回はその中から「認知症にやさしいまちづくり」を取り上げ、専門家を交えて語り合った。2017年5月1日放送TBSラジオ荻上チキ・Session22「京都で開かれた国際会議でも主要なテーマに!認知症700万人時代に向けた街づくりとは?」より抄録。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマ
国立京都国際会館(京都市左京区)で4月に開かれた「第32回国際アルツハイマー病協会国際会議」で、認知症に関わる国内の当事者組織5団体が、各都道府県にある拠点を記した日本地図を発表した。各団体は「同じ立場の人とつながることで、希望がみえることもある。困っている人は、どこかの団体に連絡してほしい」と呼びかけている。(加納裕子 スタートラインに 5団体は、認知症の人と家族の会▽レビー小体型認知症サポートネットワーク▽男性介護者と支援者の全国ネットワーク▽全国若年認知症家族会・支援者連絡協議会▽日本認知症ワーキンググループ。地図を見れば、すべての都道府県にいずれかの団体の拠点があることが一目で分かる。 国際会議では4月27日、5団体の代表がセッションを開き、それぞれの活動を紹介した。会場の男性から「5団体が連携し、国家的な政策をまとめられないか」との声が上がると、「全国若年認知症-」の代表者が「5
世界中の認知症の専門家や当事者らが集まる「第32回国際アルツハイマー病協会国際会議」は28日、「認知症と災害」についてのセッションが行われた。日本の医師が、東日本大震災後の認知症の患者や家族らの状況について報告し、日頃からの備えを訴えた。 東京都健康長寿医療センターの粟田主一医師は、震災後に仙台市で治療に当たった状況を説明。津波に流され救助された80歳の女性が、同じ言葉を繰り返すばかりで身元が分からなかったが、3日後に探し当てた家族によって以前から認知症だったことが判明した事例を報告した。 さらに、避難所で苦情を言われるなどして、車の中で過ごさざるをえなかった認知症高齢者と家族もいたとしたうえで、「認知症の人への緊急支援計画を、地域の防災計画に含めるべきだ」と指摘した。 また、国際アルツハイマー病協会は、災害後に認知症の人に適切な治療とケアを提供するための「災害対策イニシアチブ」を年内に完
◇ みなさんおはようございます。グッドモーニング。 本日はこのような場で話をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。 ただいま、ご紹介いただきました丹野智文です。実は、私は多くの講演をしていますが、こんな大きな所で登壇することに不安がありました。まだまだ偏見もあり、こうしてきちんと話をする当事者は、診断間違えではないだろうかと言われる人もいるからです。しかし本日、多くの当事者が登壇し、歌いました。今日、ここで私が話をしようと思った理由は、認知症になったら終わりではない、全国にいるまだまだ不安のある当事者へ、認知症でも笑顔で元気で楽しく過ごせることができることを知ってもらいたかったからです。 私も診断後は、認知症イコール終わりだと思い、不安や恐怖から、夜、泣いてばかりいました。それは泣きたくて泣いていたわけではなく、ベッドに入ると自然と涙が流れてくるのです。それだけ、常に不
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