願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ 桜と月をこよなく愛した平安末期の歌人・西行は、自らの死に場所の希望をこう詠んだ。実際、西行は文治6年2月16日(1190年3月31日)に亡くなったというから、その願いは叶ったといえよう。 2015年国勢調査速報によると、65歳以上の高齢者人口が3342万人と、総人口の4分の1超の26.7%に達し、日本は超高齢化社会に突入した。週刊誌は「やってはいけない手術」「飲んではいけない薬」といった医療関連特集をしつこいほどに続けている。なぜなら、売れるからだ。ひところは「一銭もかけない死に方」などの死に方特集が続き、今は老人の性特集が定番となっている。 そんな折、「在宅みとり」を推進する厚生労働省が7月6日、「在宅医療にかかる地域別データ集」を公表した。その中で、在宅死の割合を自治体別にまとめている。14年の人口動態統計のデータを基に集計し
最期まで生活重視、痛みも軽減 痛みのコントロールが必要ながんや難病など、医療と介護のいずれもが必要な人の居場所が少ないのが現状だ。特別養護老人ホームでは断られがちで、長期療養の病院は「住まい」からは遠い。「医療」「介護」「住まい」の機能を併せ持つ場所は、どう整備すればいいだろうか。(佐藤好美) ◇ 食器を洗う音や掃除機をかける音-。耳になじんだ音が聞こえてくる。神奈川県小田原市にある「ファミリー・ホスピス鴨宮ハウス」は、3階建ての大きな家だ。がんや難病の人、人工呼吸器や在宅酸素をつけた人など、医療の必要な人に、看護師と介護職が24時間態勢で対応する。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く