2017年の介護保険法改正では、自治体の介護予防や自立支援などに対する取り組みや目標設定を制度化し、要介護者らが長期入院する「介護療養病床」施設などの「介護医療院」への転換を促した。18年度は市町村が3年に1度策定する介護保険事業計画の第7期(18~20年度)の初年度でもある。日本経済新聞社は2~4月に実施した全国814市区(791市と東京23区)の18年度予算調査で、介護に関する対応も質問。健
2017年の介護保険法改正では、自治体の介護予防や自立支援などに対する取り組みや目標設定を制度化し、要介護者らが長期入院する「介護療養病床」施設などの「介護医療院」への転換を促した。18年度は市町村が3年に1度策定する介護保険事業計画の第7期(18~20年度)の初年度でもある。日本経済新聞社は2~4月に実施した全国814市区(791市と東京23区)の18年度予算調査で、介護に関する対応も質問。健
厚生労働省は、介護医療院の開設者に関する案をまとめた。厚労相が定める「介護医療院を開設できる者」として、病院・診療所の開設者に加え、日本赤十字社や健康保険組合などを挙げている。【新井哉】 介護医療院は、介護療養型医療施設(介護療養病床)の転換先として4月に創設される。医療機関の「全部転換」だけでなく、病棟やフロアごとなどの「一部転換」もできるため、転換を検討中の医療機関が少なくないとみられている。 ...
埼玉県ふじみ野市の特別養護老人ホームに入所していた高齢女性が介護ミスで死亡した、などとして、遺族が近く、施設の運営法人に約4千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。遺族は「同様の事故を減らすため、裁判で原因や背景を明らかにしたい」としている。 亡くなったのは中野小夜子さん(当時86)。認知症を患い、2015年1月から特養「上野台の里」に入所。事故時は要介護度4で、座った状態を保つのも困難だった。原告となる中野さんの息子2人や代理人弁護士によると、事故は15年9月7日の夕飯時に起きた。中野さんは、食事を飲み込んだ後に吐き出す動作をくり返し、病院に救急搬送されたが、10月23日に死亡した。死因は食物が肺に入った場合に起きる「誤嚥(ごえん)性肺炎」と診断された。 施設側が県に出した事故報告書では、食事介助の際に上半身を起こすベッドの角度を過度に垂直に近づけたことや、食事を早く食べさせ過ぎ
「はーい、お口をあけてくださーい」と、利用者のたんを吸引する看護師。胃ろうや人工呼吸器など医療依存度の高い人も通う=川崎市のナーシングホーム岡上で 中重度者支える「看多機」 難しい人材確保 認知症や中重度の要介護高齢者が、住み慣れた地域で生活できる介護保険サービスとして注目されているのが「看護小規模多機能型居宅介護」。通称「看多機(かんたき)」だ。訪問看護だけでなく「通い」「泊まり」など複数のサービスを柔軟に組み合わせて使え、医療的なケアが必要な人にも対応できる。しかし看護師など人材確保が難しく、広がっていない。【細川貴代】 川崎市の住宅街にある民家風の看多機「ナーシングホーム岡上」。政夫さん(仮名、74歳)は個室のベッドに横になり、胃に穴を開けて管で栄養を送る「胃ろう」で昼食をとりながら読書していた。政夫さんの要介護度は最も重い「5」。脳梗塞(こうそく)の後遺症で半身にまひがあり、糖尿病
療養病床の主な転換先として介護医療院が来年4月に創設されるのを踏まえ、日本慢性期医療協会(日慢協)は22日の通常総会で、「介護医療院協会」を日慢協の下に設立することを決めた。日慢協の武久洋三会長は同日の定例記者会見で、来年4月の立ち上げをにらみ、設立準備委員会を設置したことを明らかにした。【兼松昭夫、ただ正芳】 介護医療院協会は、当初は日慢協の下に設置し、将来的に規模が拡大すれば分離させる。 厚生労働省によると、来年3月末に廃止される介護療養病床は約6.1万床、看護配置が手薄(25対1)な医療療養病床は約7.6万床ある。武久会長は...
経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員が12日の会合で、医療・介護の一体的な改革を進めるよう提言することが10日、分かった。高齢化により平成37年には「団塊の世代」の全員が75歳以上の後期高齢者となる。民間議員は財政健全化の観点からも、地域が連携して効率的な医療・介護サービスを提供する必要性を訴える。 提言では、28年度末までに47都道府県がそれぞれまとめた「地域医療構想」を踏まえて、改革を具体化するよう訴える。6月ごろにまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」にも反映する方向だ。 同構想は26年に成立した医療介護総合確保推進法で策定が義務づけられたもの。都道府県内をいくつかの地域に分け、37年時点での医療需要を予測して必要な医療体制の整備方針を決める。 具体的にはかかりつけ医と介護従事者の情報共有により、在宅療養への移行などを促す。 民間議員は、都道府県がガバナンス(統治)を強め
介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の推進を目指している東京都と豊島区が、利用者宅を訪問する介護職員の「指名料」の導入を検討していることが分かった。利用者は1時間当たり500円程度を追加負担する代わりに、看護師やあん摩マッサージ指圧師などの資格を持つ職員を指名し、施術や専門的な助言を受けられる仕組み。職員の賃金向上につなげ、不足している介護人材確保も目指す。【林田七恵】 現行制度では、保険内と保険外のサービスを同時に提供できないが、都などは地域を限定して規制を緩和する「国家戦略特区」の枠組みを利用し、2018年度をめどに混合介護のモデル事業を始めることを目指している。介護職員不足に対応するため、これまでは認められていない指名料の導入を10日の国との協議で提案する。
厚生労働省は19日、通常国会へ提出する9つの法案の概要を自民党の厚労部会で説明した。 このうち介護保険法の改正案には、来年度末をもって廃止する介護療養病床の代わりに新設する施設の名称を、「介護医療院(仮称)」とする考えが盛り込まれている。転換の準備のために設ける経過期間は、2018年度から2023年度末までの6年間とされた。法案は2月上旬に出す予定。出席した議員から異論は出なかった。 介護療養病床の再編は、いわゆる「社会的入院」を解消して医療費の抑制につなげることが狙い。厚労省は昨年末、看取りを含めた医療サービスも受けられて「生活の場」となる新たな施設へ転換させ、重度の高齢者などの受け皿とすることに決めていた。具体的な基準や報酬は、来年度の介護報酬改定に向けたプロセスで設定する方針。
社会福祉法人「草加福祉会」(埼玉県草加市、湖山泰成理事長)は、来年4月に相模原市内に新設する特別養護老人ホーム(特養)で、隣接する北里大学・同病院と連携した医療・介護型の施設運営を図る。介護・療養型の特養がなくなる2年後を見越した国内初の試み。近くにある女子美術大学とも協力し、特養を学生の作品発表の場として地域住民らが集えるようにする。 新設の特養「マナーハウス麻溝台」(仮称、3階建て)は140床で、ほかにショートステイ20床があり、訪問介護や居宅介護支援、事業所内保育所も手掛ける。市内では13年に国内で初めて美術館を併設して開設した「マナーハウス横山台」に続く二つ目の特養となる。 この記事は有料記事です。 残り301文字(全文596文字)
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