国内外を問わず、児童虐待事件が後を絶たない。今年3月、両親の虐待により死亡した船戸結愛ちゃん(5歳)の事件の悲しみはインターネット上で広がり続け、6月には、著名人数人が「#こどものいのちはこどものもの」というハッシュタグをツイッター上で拡散。虐待防止キャンペーンを展開し始めた。 同ハッシュタグがついたツイート上では、救いを求める自らの子を衰弱死させた両親への批判コメントが並ぶ。一方で、社会的連帯のもと虐待を根絶しようという意見や、親たちが抱いたことがある子供への苛立ちや直情、言い換えれば「いつか自分が加害者になってしまうかもしれない」という子育てへの不安が綴られている。 核家族化した現代社会、また格差や離婚率が上昇している社会状況においては、子供を抱える親の金銭的、時間的、肉体的、精神的ストレスは比例して大きくなるしかない。もちろん、子供を虐待する親は許されるべきではないが、構造的に虐待が
ドメスティックバイオレンス(DV)がある家庭で育つ子どもは、性的虐待を受ける割合が高い。子どもの性暴力被害は闇の中に埋もれ、救われない子どもは多い。 ●DV家庭で多発 東京都内に住む40代の公務員、鈴木みきさん(仮名)は3歳の頃から父と近所の「お兄さん」から被害に遭った。風呂で父は「女の性器は汚いから男が洗うんだ」と股を広げ、指で性器をいじり観察した。「汚れていたらどうしよう」「また殴られるかも……」。みきさんにとって風呂は恐怖の時間だった。 家族ぐるみの付き合いがあった「お兄さん」には時々遊びに連れ出され、わいせつな行為をされた。「お兄さん」の性暴力は小学校低学年まで、父の性的虐待は中学まで続いた。「あってはならないこと」が起きていたみきさんは長年、記憶にふたをすることでなんとか生きてきた。連れ込まれた公衆トイレの臭い、恐怖、下半身の痛み……。「お兄さん」の記憶は10代半ばによみがえった
愛知県は24日、同県西三河地方の児童相談所の一時保護所で保護していた同県豊橋市の少年(16)が自室で自殺したと発表した。遺書などは見つかっていないという。 県によると、23日午後6時ごろ、少年が自室で首をつっているのを職員が発見し、搬送先の病院で死亡が確認された。職員が発見の約2時間前に面接した際に変わった様子はなく、これまで自殺につながるような言動もなかったという。 少年は家出して深夜にはいかいしているところを補導され、今月11日に保護所に入った。部屋は一人部屋で、廊下からガラス窓越しに室内が見えるようになっていたが、自殺した場所は死角となっていた。 当時、保護所の男子棟(定員14人)には11人が入所。職員2人で対応していた。県の担当者は「子どもの命を守れずにおわびする。問題点を検証し、再発防止に努めたい」と話した。
発達障害、虐待などで感情や行動が不安定になり、情緒障害児短期治療施設(4月から児童心理治療施設)でのケアが必要とされた九州の121人(昨年3月末現在)のうち、13%が九州外を含む他県に入所していたことが、西日本新聞の取材で分かった。施設不足や、受けられるケアが限られることが主な理由。遠い距離を通って支える家族らの負担も重く、受け皿の充実が急がれる。 同施設は心理療法や生活指導を通じた社会復帰を目的とし、全国に45カ所ある(昨年末現在、全国情緒障害児短期治療施設協議会調べ)。国は都道府県、政令市、児童相談所のある中核市に設置を求めるが、九州は6カ所にとどまり、佐賀県と3政令市は未整備。 九州の各県や政令市によると、昨年3月末現在、県外の施設に入所する子どもは、福岡、佐賀、宮崎3県からが16人。受け入れ先は長崎、熊本、鹿児島各県などで、福岡市から岡山県の施設に入所した子もいる。 「県外の方が近
私はカリフォルニアワインの産地として有名なカリフォルニア州ソノマ郡によく取材で行くのだが、ここには「Valley of the Moon Children’s Home」(以下、VOM) という、虐待を受けて保護された子どもたちのための、非常によく整った緊急避難用シェルターがある。日本で言うと一時保護所にあたるだろうか。 受け入れる子どもたちの年齢は、0歳から18歳まで。滞在期間は2~3日のこともあれば、1年にも及ぶことがあり、常時30人ぐらいが暮らす。 警察官やソーシャルワーカーに連れられてシェルターに到着する子どもたちは、深刻なネグレクトや性的虐待を含むさまざまな暴力から逃れてくる。そんな子どもたちを最初に受け入れる場所として、VOMは子どもたちが安心してリラックスできることを何より大切にしている。
真新しい紺色のジャケットと白いシャツ。15歳になった少年が西日本の特別支援学校の入学式にのぞんだ。ふだん生活する重度障害児施設の医師や看護師が見守るなか、校歌の演奏が流れた。だが、移動式ベッドに横たわる少年が一緒に歌うことはできない。 目は光に反応する程度で、寝たきり状態から回復する見込みはない。身長は140センチに伸び、にきびもできてきた。「かわいい赤ちゃんだったけれど、もう大きなお兄ちゃんだね」。入所当時から診てきた担当医は話す。 元気に生まれたが、生後半年で心肺停止状態となり病院に運ばれた。その後、両足の骨折もみつかった。母親の当時の話では、父親による暴行があったというが、事件にはなっていない。 両親は離婚し、母親とは連絡がとれない。父親はたまに面会に来るという。 この施設で暮らす障害児25人のうち10人が過去に虐待を受けた。虐待で障害を負った子もいれば、もともと障害があって虐待を受
保育所に配置された臨床心理士が保育士と連携し、児童虐待の予防や早期発見につなげる試みが横浜市旭区で行われている。2012年度に始まった市のモデル事業で、保育士からは「困難を抱える母親にどう接すればよいのかが見えてきた」と効果を実感する声が上がっている。(板垣茂良) 臨床心理士は武蔵野大心理臨床センター相談員の氷室綾さん(34)。これまで児童相談所などで多くの親子に接してきた。氷室さんは、区内全体の保育カウンセラーの立場で、同区が「育児支援センター園」と位置づける市左近山保育園(旭区左近山)に週2日勤務し、区内の認可保育所などから寄せられる相談に乗っている。 区こども家庭支援課によると、氷室さんが保育士から受けた相談件数は12~13年度で計約290件。虐待を未然に防いだケースでは、子供の送迎時につらそうな表情を見せる母親に気づいた保育士が氷室さんに相談。アドバイスに従い、相手に寄り添う接し方
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