来年10月に実施予定の幼児教育・保育の無償化を巡り、予定される財源のうち、新たな保護者の負担解消に相当する分は約6割にとどまることが7日、厚生労働省の調査で判明した。残る4割で、地方自治体が独自の支出で保育料を減免している分を、国が肩代わりする。政府は、肩代わり分については別の子育て支援策に充てるよう促す方針だが、自治体が応じるかどうかは見通せていない。 政府は昨年末時点で、幼稚園なども含めた無償化の費用を約8000億円と試算した。しかし、地方自治体は独自の負担で、保育料を国の基準より減免して保護者の負担を軽減している。厚労省の調査では減免割合が全国平均で約4割に上る。地域別でみると、一番高いのは四国で47.5%、首都圏だと42.6%、近畿で40.1%。一番低い北陸でも37.0%に上った。
政府は幼児教育・保育の無償化策について、本格実施の時期を半年前倒しして2019年10月とする方針を固めた。消費税を10%に引き上げるタイミングと合わせる。6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む方向だ。 無償化策は昨年秋の衆院選で、自民党が公約の柱に掲げた。当初政府は、19年4月に5歳の子どもがいるすべての世帯を、また20年4月に0~2歳の子どもがいる住民税非課税世帯と、3~4歳の子どもがいるすべての世帯を無償化し、本格実施とする方針だった。2段階としたのは10%への消費増税に伴う税収がすべて入るのが20年度からのためだった。 ただ消費増税が家計に悪影響を与えかねず、反動を少しでも抑えたいとの狙いから、政府は本格実施を前倒しすることにした。 無償化は国が定める指導監督基準を満たしているかどうかを参考にしながら、保育の質が保たれている認可外保育園も対象とする方針。また認可
2020年度から全面実施する幼児教育・保育の無償化をめぐり、内閣府と厚生労働省は認可外の保育施設に子どもを預ける世帯を補助する制度の原案を固めた。認可保育所を利用する場合と同じく市区町村から保育が必要と認定された世帯に限り、認可外施設の利用者でも補助の対象とする。補助額は認可保育所の保育料の全国平均を上限とする考え。子育て世帯の経済負担の軽減と、財政による支援の公平性の確保の双方に目配りする。
幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」は4月1日時点で5081園あり、前年同時期から1080園増えた。内閣府が8日公表した。待機児童対策として期待されるが、もともと受け皿の認可保育所が移行するケースが多く、効果は限定的のようだ。 認定こども園は、保護者が働いているかどうか関係なく0~5歳児が通える。3~5歳が通う幼稚園がこども園になれば、待機児童の約9割を占める0~2歳児の対策になるとの思惑が政府内にはある。 ただ、昨年度移行した幼稚園が377園だったのに対し、認可保育所は2倍近い715カ所。在籍する子ども数は68万9781人と前年から14万5734人増えたものの、増加分のうち0~2歳児は3割弱の3万9217人で、大半は3~5歳児だった。こども園は受け入れ年齢を選べるため、幼稚園から移行しても保育経験のなさなどからくる抵抗感から低年齢の子どもの受け入れが進まなかったとみられる。 都
兵庫県姫路市の「わんずまざー保育園」(休園)が定員を超過した園児を受け入れるなどしてこども園の認定が取り消された問題を受け、学識経験者らでつくる市の「子ども・子育て会議」は28日、事前通告なしに立ち入り調査を行うといった再発防止策を盛り込んだ答申をまとめ、市に提出した。 同会議は学識経験者や市民らで構成。石見利勝市長から諮問を受け、5月から3回にわたり、協議してきた。 答申では、事前通告なしに園への指導監査や立ち入り調査を行うよう提言したほか、認可外保育施設が認定こども園を目指す場合、市が一度保育所認可してから、県の認定を受けるよう移行手続きを改めることも求めている。 さらに、わんずまざー保育園で、園児が十分な食事を与えられていなかった事態も踏まえ、保育所長経験者や管理栄養士ら保育に精通したスタッフを監査に帯同させ、園児の給食や衛生面の実情などを把握できる体制を整えることも盛り込まれた。
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