がんは、「老化の一種」とも言われる病気ですが、若いからといって、がんにならないわけではありません。 私自身は、40歳のときに乳がんに罹患しました。周囲からは「まだ若いのに・・・」と驚かれたものですが、それよりもっと早い時期にがんを発症する患者さんもいます。 一般的に、「小児がん」とは、15歳未満の子どもに発生するがんを指し、15歳から30歳前後(欧米では15 歳~39歳などの定義もある)の思春期・若年成人のがん患者のことを、(「Adolescent(思春期) and Young Adult(若年成人)」の頭文字を取って、「AYA(アヤ)世代」のがんと呼びます。 AYA世代のがん患者さんは、全体のがん患者数に対して割合が小さいものの(患者割合2.49%)、多種多様ながん種を多く含み、精神的にも身体的にも大きく成長する思春期、若年成人期に発症するため、友人関係や仕事、恋愛、結婚、出産、将来のこ
「ホスピスという響きは死のイメージが強いから、『こどもホスピス』という名称はやめた方が良いのではないかということを何度か言われました。でも、ホスピスの語源は巡礼者が疲れから回復する場所。子どもとその親にとって『第二の家』のように安らげる楽しい場所をつくり、イメージを変えていこうと思いました」(NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト代表理事、田川尚登さん) ◇ コラム「がん 当事者のことばから」26歳でがんになり、2度の再発も経験した朝日新聞記者の上野創(46)のコラム「当事者のことばから」。これまでに出会った、様々な患者やその家族らの言葉を紹介してつづります。 約3カ月前の2月11日、横浜で「第1回、全国こどもホスピスサミット」が開かれました。(記事はこちら https://www.asahi.com/articles/ASL2D2DB7L2DUBQU001.html)。医療者を
楽器やゲームなどが備えられたAYA世代専用病棟=大阪市都島区の市立総合医療センターで2018年4月9日午前9時33分、望月亮一撮影 大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)に9日、「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる思春期から30代までのがん患者専用の病棟がオープンした。専用病棟の設置は全国2例目で、西日本では初。ゲームや音楽、学習設備などを備え、小児と中高年のはざまの患者に適切な医療を提供し、医療ソーシャルワーカーらと連携して、心理的・社会的側面の支援も行う。 AYAとは「Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)」の略。15歳から30代のがん患者は全国で推定約2万人。治療時期が進学や就職、出産・育児など人生の転機と重なって、小児や高齢の患者とは異なる悩みを抱える場合が多いが、同世代の患者が少なく、精神的に孤立するケースもある。
子宮頸(けい)がんなどを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの定期接種の積極的呼び掛けが2013年に一時中止されてから、6月で丸5年になる。厚生労働省の有識者検討会では、勧奨の再開についての結論は出ていない。同ワクチンの有効性、安全性を巡る最新の状況をまとめた。【高野聡】 HPVは性交渉で広がる病原体で、約100種類の型がある。がんになる高リスク型は15種類。感染しても9割は免疫で排除されるが、感染が持続した5~10%で、細胞の異常が起こり、がんになる場合がある。日本では高リスクの16型と18型に効くサーバリックスと、6型、11型を加えた4種類に効くガーダシルが承認されている。16型と18型は日本の子宮頸がんの6~7割に関係する。 同ワクチンの開発段階の臨床試験では、がんの前段階の異常減少で有効性を確認したため、がん発症まで追跡していない。だが、多くの専門家は「前段階の異常が減
PXEインターナショナル設立者のシャロン・テリーさん。来日し、毎日メディアカフェで講演=東京都千代田区の毎日新聞東京本社で2017年11月 治療や検査を受けるだけでなく、患者やその家族が病気の研究に参加したり、法整備にかかわったりする動きが広がっている。特に、患者数が少ない希少疾患の場合、自ら声を上げないと状況が改善しないという背景もある。病に直面しながらも道を切り開こうとする患者たちの取り組みを2回にわたって報告する。【丸山博】 ◆希少疾患の子2人を持つ母
バギーに乗り、高さのある机に向かって友達と一緒に学ぶ府川理央さん(手前から2人目)=宇都宮市立宮の原小で2017年12月8日午前10時15分、高橋隆輔撮影 筋力が低下して呼吸や歩行が困難になる難病「先天性ミオパチー」の影響で人工呼吸器を手放せない宇都宮市内の小学生が、周囲の支えで通常学級に通っている。同市立宮の原小2年、府川理央さん(8)。人工呼吸器を使う児童が通常学級に通うことは現状、ほぼ認められていないが、「うちに通いたい子を断る理由はない」という学校側の配慮で、たくさんの友達と一緒に学び、成長している。 昨年12月8日、同小2年1組であったコミュニケーションを学ぶ会話の授業。最近できるようになったことを聞かれた理央さんは「サッカー」と答えた。「ボールを蹴る距離が伸びた」と身ぶりを交えて説明。授業の終わりには手を挙げ、「言葉と巡り合える大切さが分かりました」と感想を発表した。
平成30年3月末で別の病院と機能統合し、閉鎖される大阪市立住吉市民病院(住之江区)の入院患者のうち、閉鎖後の受け入れ先が決まらない難病の男児がいる。先天性の代謝異常疾患の一種「ゴーシェ病」を患う堺市の男児(5)で、24時間体制の医療ケアが必要なため長期入院している。同病院はこうしたケアが必要な重症児の病状が安定し、在宅や施設に移行できるまで預かってきた。しかし閉鎖に伴い、この役割が失われるとともに、他の病院も難色を示しているため受け入れ先が見つかっていないのだという。(南昇平) 進行速く、震えやけいれんなど中枢神経症状を併発、24時間医療ケア必要 今年3月の誕生日、男児は初めて堺市内の自宅に戻った。ベッドに寝たままで主治医らが同行。わずか3〜4時間の滞在だったが、兄(8)は誕生祝いのケーキを食べさせるまねをするなど、弟とふれ合った。母親は「入院中は長男(兄)は弟とほとんど会えないので、うれ
小児がんや免疫不全の治療に必要な「無菌室」を増設するため、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)は5日、クラウドファンディング(CF)で資金の募集を始めた。9月8日までに1500万円を目標にしている。 CF最大手のサイト「レディーフォー」のプラットフォームを使う。プロジェクト名は「小児がんと戦う、みんなの願い。不足する無菌室をつくろう!」(https://readyfor.jp/projects/ncchd-clean-room)。 「無菌室」は、治療による免疫力低下による感染リスクを下げるために使われる。個人差があるが、1カ月ほど過ごす。利用は、小児がんの3分の1を占める白血病のほか、神経芽腫、骨髄不全、免疫不全にも使われる。4畳半ほどの広さに、テレビ、トイレ、簡易シャワーがあり、窓越しに家族が様子をうかがえる。 同センターでの造血幹細胞移…
新生児の手に触れる母親の指。フランス北部ランスの病院にて(2013年9月17日撮影、資料写真)。(c)AFP/PHILIPPE HUGUEN 【6月28日 AFP】欧州人権裁判所(ECHR)は27日、まれな遺伝子疾患を発症している赤ちゃんの延命治療を終わらせるべきとした英高等法院の判決をめぐり、最終的にこの判決を支持する判断を下した。 フランス北東部ストラスブール(Strasbourg)にあるECHRは2週間前、まれな遺伝子疾患を発症し、脳に損傷を負っている生後10か月の男児チャーリー・ガード(Charlie Gard)ちゃんに対し「適切な」治療を継続するよう英政府に命じる暫定的な判断を下していた。 一方でこれに先立ち、両親は治療のためにチャーリーちゃんを米国に連れて行きたいと希望していたが、英高等法院は「尊厳死」が認められるべきとの判決を下していた。 チャーリーちゃんの治療を行う英ロンド
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の啓発と研究支援を呼びかけた「アイス・バケツ・チャレンジ」の発案メンバーで自身もALSを発症している米国人ピート・フレーツさんが、膨大な医療費が負担となり経済的に苦しい状況に陥っているとする報道が、CNNやFOXニュースなど米メディアで相次いでいる。 世界中の著名人や政治家まで巻き込む社会運動ともなったアイス・バケツ・チャレンジで集まった寄付金は数億ドルに上るとも言われていたが、その発案者がなぜ医療費で苦しんでいるのだろうか。 月の負担額は1000万円以上に ALSは神経が徐々に死滅することで筋肉の委縮や筋力低下が起きる病気で、日本では難病に認定されている。ゆっくりと進行していき、発症から数年で自発呼吸ができなくなるが人工呼吸器を装着することで延命ができるものの、有効な治療法や治療薬はない。 アイス・バケツ・チャレンジは2014年にスタート。ALSの認知度を
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