本コラムは、障害を持ちながらも社会で活躍されている方を取り上げ、予期せぬ病気や事故などで障害を負ってしまった方が、その人をロールモデルとして、勇気を出して社会に踏み出してもらいたいという主旨で企画されました。 今回の「障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド」は、静岡県立大学国際関係学部教授で東京大学先端科学技術研究センター特任教授の石川准教授をお迎えしました。 石川教授の専門・研究分野はアイデンティティ論や障害学などの社会学と、点字携帯端末やGPS歩行支援システムなどの支援工学で、研究、技術開発の傍ら国連障害者権利委員会委員として国際的な舞台でも活躍されています。 初瀬:私が大学時代に視力を失ったときに、母親が親戚の家に下宿されていた東大生だった石川先生のことを思い出して「眼が悪くても東大に入った人がおるけんね」と言って、石川先生へ電話をすると「眼が見えなくなってもそんなに悪い世界じ
「シリコンバレーで、若手3名が一つ屋根の下で暮らし、デザイン思考を使って、今までにない全く新しい次世代モビリティを開発する」 スズキの特別プロジェクト公募に自ら志願し、選抜された3名はデザイン思考のフレームワークに沿って、街頭インタビューを敢行。その結果をもとに、開発を進めていくこととなった。(奮闘記前編はこちら) ここで一度、デザイン思考について触れておきたい。 デザイン思考のプロセスは下記の5つのステップで構成。それぞれのステップを超高速で行ったり来たりしながら、何度も繰り返していく。 デザイン思考に必要な5つのステップ 1. 共感 ユーザーの感情、考え、態度を能動的に擬似体験し、彼らに共感する 2. 問題定義 共感の結果、ユーザー本人も気づいていない価値観を推測し、問題の本質を定義する 3. 発想 特定した問題に対して、多種多様な解決策を発想した上で、最後に取捨選択を行う 4. 試作
筑波大は、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、視覚障害者が携わったスポーツボランティアの活動事例などをまとめた冊子を発行した。同大会の基本概念の一つが、障害の有無などにかかわらず活躍できる世界を目指す「多様性と調和」だ。担当者は「障害者にもボランティア活動に積極的に関わってもらい、社会参加を後押ししたい」と話している。 メダリストら15人執筆 冊子をまとめたのは、3月まで同大の理療科教員養成施設長を務めた宮本俊和さん(66)。障害者教育やスポーツ医学が専門で、ボランティアを受ける側になることが多い障害者のイメージを変えようと企画。知り合いの専門家やパラリンピックメダリストらに声をかけ、宮本さんをはじめ15人が執筆者に名を連ねた。 冊子では、1998年の長野冬季五輪・パラリンピックで、鍼灸(しんきゅう)師などの資格を持った視覚障害者らが、選手や競技役員を対象に、はりやマッサージを行っ
[ジュネーブ 2日 ロイター] - 国連特別報告者のフィリップ・アルストン氏は、米国における貧困はトランプ政権下で拡大・深刻化しているとの見解を明らかにした。同政権は数百万人の貧困層からセーフティーネットを奪う一方で、富裕層に見返りを与えているという。 6月2日、国連特別報告者のフィリップ・アルストン氏は、米国における貧困はトランプ政権下で拡大・深刻化しているとの見解を明らかにした。写真は2年間ホームレスを続けている男性。カリフォルニア州ロサンゼルスで3月撮影(2018年 ロイター/Lucy Nicholson) アルストン氏は米当局に対し、信頼できる社会的保護を提供し、「貧困層を処罰し投獄する」よりも根本的な問題を解決するよう呼び掛けた。 同氏は報告書でトランプ大統領による税制改革について、生活保護や健康保険へのアクセスを縮小させることる一方、超高所得者層や大企業に「思いがけない利益」を
状況に応じて障害者を柔軟に支援することで、障害者*1の権利確保に主眼を置く障害者差別解消法が2016年4月に施行されて2年が過ぎた。この法律は障害者の特性や個別事情に応じた「合理的配慮」の提供を行政機関に義務付けているが、「合理的配慮として、どういった支援を提供するか」という点については、障害者と行政機関など当事者同士の「対話→調整→合意のプロセス」に委ねられている分、分かりにくいのも事実である。 本レポートでは、合理的配慮を中心に障害者差別解消法の内容を解説するとともに、自治体の動向やメディアの報道ぶりなどを基に、2年間の動きを考察する。その上で、国に今後、求められる対応として、支援の事例や工夫に関する情報を収集・共有する重要性を指摘する。 最初に重要になるのは「社会的障壁」という言葉である。法律は「障害者」を「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害があ
医療機関のインターネットでの広告が規制されるそうです。「医療機関、ウェブにも広告規制 患者の体験談も禁止へ」(https://www.asahi.com/articles/ASL4L5HD1L4LULBJ00V.html) このうち「虚偽の内容は罰則つきで禁止」というのはよくわかります。しかし「患者の体験談も原則禁止」となるのはなぜでしょうか。記事によれば、誤認を与える恐れがあるからだとされています。 インターネットの広告に限らず、医療行為にさまざまな規制がかかっている理由の一つに、患者さんにとって医療の質を正確に評価するのは難しい、ということがあります。 たとえば、普通のかぜの患者さんが受診したとしましょう。標準的な医師であれば、適切な問診と診察だけで正しく診断でき、必要十分な薬のみを処方します。 一方で、ヤブ医者が「肺炎の疑いがある」といって胸部CTを撮影し抗菌薬を処方したとして、不必
53歳の筆者には心配事がある。 つい先日のことである。駅から徒歩で家路につき玄関までたどり着いたところで、その日は駅まで自転車で行ったことを思い出した。調べ物をしようとしてグーグルを立ち上げ、検索窓の下のニュースに気を取られていたら、何を調べるんだったか忘れてしまった。すばらしい原稿の構成を思い付いて独りでニヤついていたのに、翌日にはきれいさっぱり忘れていた。「ひょっとして」と思うことが続いているのだ。 脳ドックってそんなに安いのか そんな折、フェイスブックで友人のIT評論家、尾原和啓氏の投稿を見た。 「脳動脈瘤が見つかりました」 衝撃的な書き出しで始まる投稿をドキドキしながら読み進むと、結論は「3年以内の破裂リスクは0.5%の超初期段階」とのことでまずは一安心。それにしても、今どきの脳ドックはそんなことまでわかるのか。おまけに尾原氏が受けた脳ドック・クリニック「メディカルチェックスタジオ
3月26日、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課は「治験の実施状況の登録について」という課長通知を都道府県宛てに発出しました。これにより、国内で治験を行う場合は、国内の臨床試験情報登録センターに登録されることが義務付けられることになり、治験を探すがん患者や家族にとっては非常に有益な通知となります。 がんの治験情報は国内サイトで開示することが義務付けられた 治験を行うためには、治験の計画を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に届け出る必要があります(業界では治験届と言います)。 この治験届に関わる通知において、 今まで、 「治験の実施状況等を第三者に明らかにし、治験の活性化に資するため、治験計画届を届け出た場合には、国内の治験情報登録センター(Japic-CTI、日本医師会臨床試験登録システム等)に当該治験に係る情報(疾患名・実施医療機関・実施状況等)について登録することが望ましい。(全
各地で異なる手話の「方言」を動画で集め、都道府県ごとにデータベース化するプロジェクトが進んでいる。100の単語を選び、地域や世代ごとの手話表現をインターネット上で公開。地域で発展した手話を記録して後世に残すとともに、通訳者の養成現場などでの活用も目指す。 「日本手話話し言葉コーパスプロジェクト」として2012年に始まった。「コーパス」は言語情報を大規模に集めた全集を指す。取り組むのは、生まれつき耳の聞こえない大杉豊・筑波技術大教授(手話言語学)を中心とするチームだ。 各地の聴覚障害者協会などに呼びかけ、日常生活でよく使う単語を、ろう者に手話で表現してもらっている。例えば「タマネギ」の場合、地域によって形で表す人と切った際に涙が出る仕草をする人などがおり、年代別でも表現は異なる。また、「地域自慢」や「カレーの作り方」といったテーマごとの対話も手話で集めている。
ダイハツは3月22日、高齢者の事故低減に向けた産官学民連携の「地域密着プロジェクト」を全国展開すると発表した。 ダイハツは、新グループスローガン「Light you up」のもと、世界中の一人ひとりが自分らしく、軽やかに輝くモビリティライフを提供すべく、ダイハツならではの「モノづくり」の強化と、ユーザーや地域住民との接点拡大を主眼とした「コトづくり」に取り組んでいる。「コトづくり」活動の一つとして、高齢者の事故低減に向けた「地域密着プロジェクト」があり、2017年5月から本格的に活動を開始している。 ダイハツが進めている地域密着プロジェクトは、高齢化が進む地域社会で「いくつになっても自由に移動できる自立した生活」を「地域と連携してサポート」することを目的にスタートした。第一弾として、「産=ダイハツ/日本自動車連盟(JAF)、官=地方自治体、学=日本理学療法士協会、民=地域社会」の連携により
自動で目薬を落とすロボットを開発した成宮陽生さん(手前)=石川県野々市市扇が丘の金沢工大で、石川将来撮影 手を使わずに自動で目薬をさしてくれるロボットを、金沢工大工学部情報工学科を今月卒業した成宮陽生(なるみや・はるき)さん(22)=石川県白山市=が開発した。デジタルカメラなどに使われる顔認識技術を生かし、上を向いて声で指示すると目薬を落としてくれる仕組み。昨年開かれた国内最大級のロボット展示会で高く評価され、高齢者や手が不自由な人などへの活用も期待されている。
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