東京都の「青少年問題協議会」がまとめている、ひきこもりの若者向けの支援策の案をめぐり、当事者や家族でつくる団体が、高齢化する当事者の実態を反映していないなどとして、見直しを求める要望書を30日、小池百合子知事あてに出した。 都の協議会は「ひきこもり、ニート、非行等の社会的自立に困難を有する若者に対する相談支援」について都から諮問を受け、大学教授などの委員でつくる専門部会で議論し、支援策に関する案を固めた。若者や家族が悩みの相談先を探せるポータルサイトを作ったり、思いを伝えるのが苦手な若者にかわって各支援機関が何に悩んでいるか「代弁」する仕組みを模索したりする内容。ただ、支援策の案に引用されているひきこもりの統計は、11年前の調査で、15~34歳のみを対象としている。 これに対し、「KHJ全国ひ…
東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が虐待死した事件を受け、政府がまとめた緊急対策の概要が19日判明した。結愛ちゃんの転居後に児童相談所(児相)の職員が家庭訪問したが本人に会えず、事件を防げなかったことを踏まえ、必要な面会ができなかった場合は原則、強制性のある立ち入り調査を行うことをルール化する。20日の関係閣僚会議で決定する。 現在の国の指針では、児相に虐待の通告があった場合などは48時間以内に子どもを直接目視することが望ましいと規定している。親が子どもに会わせることを拒む場合などを想定し、児童虐待防止法は児相に強制的な立ち入り調査の権限も付与し、必要に応じて警察官の立ち会いも要請できる仕組みになっているが、実際の運用は少なかった。対策では「会えない場合は原則立ち入り調査を行う」とし、48時間経過後の、安全確認を徹底す…
厚生労働省は18日までに、虐待を受けている疑いのある子供に対する児童相談所の一時保護について「必要な場面であればちゅうちょなく行うべきだ」などと定めたガイドラインをまとめ、各都道府県に通知した。通知は6日付。厚労省によると、ガイドラインは児相の権限や責務を明確化することが主な狙いで、有識者によるワーキンググループが昨年10月から議論を続けていた。ガイドラインでは、虐待について「対応が後手に回
改正法は、「低未利用土地権利設定等促進計画」制度を創設するなど、都市機能誘導区域と居住誘導区域を中心に、都市のスポンジ化対策が総合的に盛り込まれている。2018年7月15日の施行に伴い、公共公益施設整備事業に関わる都市再生事業の規模案件は「0.5ha(ヘクタール)以上」とするなど、関係政令の整備も行った。 政府は、都市のスポンジ化に対応する「改正都市再生特別措置法」の施行期日を2018年7月15日とする政令を閣議決定した。その施行に伴う関係政令の整備も行った。 改正都市再生特措法は、人口減少により都市の内部で空き地・空き家の低未利用地が時間・空間的にランダムで発生する「都市のスポンジ化」が進行している状況を踏まえ、生活利便性の低下、治安・景観の悪化、地域の魅力が失われるといった支障の拡大を防ぐことを目的とした法律改正。 空き地は大阪府の半分、空き家数は愛知県の世帯数に匹敵 都市のスポンジ化
木村瑛子(きむら・えいこ)さん(73)=大阪市 精神疾患を抱える患者の家族らでつくる「大阪府精神障害者家族会連合会(大家連)」(大阪市)の副会長。府内約40の家族会を束ねる団体の幹部として、行政が開く委員会に参加して家族の立場から意見を述べたり、電話相談に対応したりと、多忙な日々を送る。「差別や偏見はいまだ根強い。悩む家族をサポートしたい」と話す。 長女(40)も統合失調症に苦しんだ。発覚は約20年前。不眠を訴えて梅酒をたくさん飲み、急性アルコール中毒で病院に運ばれた。精神科で受診するよう勧められ、統合失調症と診断された。「親の育て方が悪かったんでしょうか」「いえ、100人に1人くらいの割合で発症する病気です」。医者とのそんなやりとりを覚えている。
職場や学校に行かず長期間自宅に閉じこもる「引きこもり」について、内閣府は中高年世代を対象とした初の実態調査を行うことを決めた。今年秋ごろ、40歳から60歳前後までの約5千人とその家族に、引きこもりの原因や期間などを尋ねる訪問調査を実施する。 引きこもりが長期化して本人が高年齢化するとともに、親も高齢で働けなくなって困窮する問題などが指摘されており、若者を対象とした従来の調査では実態把握が不十分と判断した。 内閣府は2010年と15年、15~39歳を対象に引きこもりの実態調査を実施。15年調査で人数は約54万1千人(推計値)と10年の約69万6千人(同)から減ったものの、引きこもりの期間は「7年以上」と答えた人が34・7%と、10年の16・9%から倍増していた。(佐藤啓介)
福岡大(福岡市城南区)と近隣の障害者支援事業所などが連携し、精神疾患のある親と暮らす子どもたちを孤立から守る活動を始めた。自身の疾患のため子育てに手が回らない母親も少なくない。ドイツなどでは親だけでなく子どもへの支援も進むが、日本ではこれまで子どもにはあまり目が向けられてこなかった。【青木絵美】 「仕上げは私に任せて!」。福岡大で4月下旬、精神疾患を抱える母親との母子家庭で暮らす小学生4人が、大学生や教員、障害者施設の職員らと一緒に昼ご飯の三色丼を作っていた。声を上げた1年の女児はフライパンを手に肉そぼろを炒め、得意げな顔を見せた。 母親に対しては、以前から大学近くにある訪問看護ステーション「アトラス福岡」が家事支援などをしてきた。しかし、自身の体調管理で精いっぱいで、子どもの世話までする余裕がない母親もいる。そのため子どもたちも精神的に不安定になったり、不登校になったりすることが課題だっ
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