千葉市は同性同士や事実婚など多様なカップルを夫婦と同じような「パートナー」と公的に認める制度を導入する。事実婚を公的に認めるパートナー制度は全国初という。9月にパブリックコメント(意見公募)を行ったうえで、2019年4月の導入を目指す。市がこのほどまとめた要項案の概要によると、対象は市内在住か市内への転入を予定している成人。配偶者や当事者以外のパートナーがいないことや、近親者でないことが条件と
LGBTなど性的少数者を支援しようと、北海道内の行政書士や社会保険労務士が7日、一般社団法人「ENISHI」を設立した。遺言書作成など専門知識を生かした手助けで、性的少数者が少しでも自分らしく生きられるよう、支えていく活動を展開する。 メンバーは、札幌、旭川、千歳、江別、長沼の4市1町に事務所を構える11人。旭川市の佐々木啓さん(50)が代表理事を務める。 昨年、性的少数者の問題に興味を持つメンバーが集まり、当事者から話を聞くなかで、同性パートナーへの相続や性同一性障害のある人のトイレ問題など、様々な問題を抱えていることが分かった。一方で「遺言書やパートナーであることを証明する契約書など書類の作成や、職場の労務管理に関連することは、行政書士や社会保険労務士が詳しいので、支援できることもある」(佐々木さん)と、支援団体の設立にこぎつけた。 道内では、札幌市が昨年からパートナーシップ宣誓制度を
同性カップルで家探しをする際、不動産会社にカミングアウトをする人は約3割~SUUMOジャーナルがLGBTの家探しを調査~ 株式会社リクルート住まいカンパニー(本社:東京都港区 代表取締役社長:淺野 健)が運営する不動産・住宅サイト『SUUMO(スーモ)』は、住まいや暮らしに関するさまざまなテーマについてアンケート調査を実施し、結果をご紹介しています。今回は、「同性カップルの住まい探しや同居してからの生活」に関して結果をまとめましたので、お知らせします。 「カミングアウトする必要がなかったのでしなかった」は、女性同士カップルは52.0%、男性同士カップルは41.7% セクシュアリティ別に見ると、「カミングアウトする必要がなかったのでしなかった」は、女性同士カップルのほうが10.3ポイント高い結果に。 理由としては、女性は「女性二人でのシェアハウスですがいいですかと聞いたらOKだったので、特に
親元で暮らせない子どもを預かる養育里親の認定をめぐり、東京都は18日、これまでの基準を改定して同性カップルを養育里親として認める方針を決めた。毎日新聞が昨年実施した全国の児童相談所がある69自治体への調査では、東京都だけが同性カップルを除外していた。10月1日から実施する。 養育里親は、虐待を受けている子どもなどを一定期間家庭で預かって育てる。自治体は、子どもが育つ家庭環境が整っているか認定基準を基に判…
大阪市の吉村洋文市長は1日、性的少数者(LGBT)への偏見や差別解消に向けた支援の一環として、同性カップルを公的に認定し、公的書類を交付する「パートナーシップ宣誓制度」導入に向けた検討を進める意向を明らかにした。市議会本会議の代表質問で述べた。 同様の制度は東京都渋谷、世田谷両区が平成27年に初めて導入。その後、兵庫県宝塚市など複数の自治体で導入されている。政令市では3例目。 吉村市長は制度導入に関し「社会全体での支援、民間事業者の取り組みを促す契機にもなる」と指摘。前向きに検討を始めるとした。 また大阪市教育委員会の山本晋次教育長が、LGBTの児童生徒への配慮として、学校の制服を男女とも選択可能にする制度などの検討を進める方針を明らかにした。 市教委によると、昨年10月に市立小中高校を対象に実施した調査で「LGBTを自認する児童生徒が在籍する」と回答した学校は440校のうち50校に上る。
性同一性障害のため女性から男性に性別を変更した兵庫県宍粟市の前田良さん(35)。2人の息子がそばを離れず、妻が見守る。そんな家族4人をファインダー越しに見つめた。どれほどお互いのことが好きか、あふれる思いが伝わってきた。【川平愛】 「もう1回、もう1回!」。自宅で休日を過ごす前田さんに兄弟がせがむ。次男(5)が、あぐらをかいた前田さんの膝の上に座り、おしりを持ち上げてもらい宙に浮かぶと両手を広げて大はしゃぎ。「僕もー」。長男(7)が飛び込んで来る。「パパもうヘトヘト」。前田さんは何度か頑張って、さすがにギブアップした。 前田さんは女性として生まれたが、幼稚園の頃から心と体の性の違いに苦しんだ。手術を経て25歳の時、性同一性障害特例法(2004年施行)に基づいて戸籍上の性別を変更した。「(男性に)戻った」と感じた。全てを受け入れてくれたあきさん(35)と08年4月に結婚。話し合い、精子提供を
この4月、大阪市の男性カップルが里親に認定され、子どもを育てているというニュースが各種メディアで何度も流れた。関西地域では新聞の一面に大きく取り上げられるなど、全国のほとんどの新聞やテレビで報道された。そしてまた、ネット上では多様な意見があふれた。 私は2013年に任意団体「レインボーフォスターケア」(2015年一般社団法人化、以下「RFC」)を設立した。「同性カップルも里親に」をミッションに掲げて講演会やロビーイングを続けてきたが、今回の報道に対して実はかなり戸惑った。というのも、これまで同テーマに対する人々の反応が薄かったため、これほど大きく取り上げられるとは思わなかったからだ。 近年、LGBTをめぐるさまざまな取り組みは大きな進展を見せている。しかし、今回報道された「同性カップルと里親制度」については、多くの人から関心を持ってもらえなかった。そもそも、児童養護施設や里親制度といった「
当事者や家族が語り合う「家族カフェ」には、助けを求めて大勢の人が集まる=2017年4月24日、鴇沢哲雄撮影 本人だけじゃない「葛藤」 親の悩みも打ち明けて 東京都千代田区の雑居ビル街の一角。今年2月の肌寒い日、狭い路地を入ると、ガラス窓から明るい光が漏れる部屋の中から話し声が聞こえてきた。LGBT支援のNPO団体が主催する「家族カフェ」。主に、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの若い当事者と、その母親ら約20人が集まり、互いの悩みを打ち明けたり、さまざまな情報を交換する場だ。 母親らに交じり、父親(56)が1人だけ参加していた。埼玉県北部の街から、妻(47)と心の性は男性という娘(29)と一緒に来たという。両親は、ほかの母親らの話に熱心に耳を傾けた。
保護者がいなかったり虐待を受けたりして家庭で生活できない子どもを育てる養育里親として、大阪市が男性カップルを認定していたことが分かった。厚生労働省によると、同性カップルによる里親は全国で初めてのケースとみられる。 認定を受けたのは、大阪市内に住む30代と40代の男性のカップル。昨年12月付。国が定める里親の要件は同性カップルを除外していない。2人は2015年、「里親になりたい」と市の児童相談所に相談。児童福祉施設で子どもと接する実習を受け、審議をへて認定された。現在、養育里親として子ども1人を育てている。 市は認定理由を「社会的養護への理解があり、経済的な安定性もある。実習で見た子どもとの関わり方も問題ない」と説明する。 養育里親は養子縁組を目的とせず一定期間子どもを育てる制度。養育里親の要件は、児童の養育について理解・熱意や豊かな愛情がある▽経済的に困窮していない▽研修を修了している――
入院や転居、相続……。法律上、婚姻が認められていない同性カップルには、暮らしの中で困ることが少なくない。国の法整備が進まない中、一部の自治体では同性パートナーに夫婦と同様の待遇を認める動きがある。 26日午後、福岡市のホテル。海が一望できる35階のチャペルで、ともに同市の会社員の田中俊行さん(38)と原口真一さん(28)が手をつないでバージンロードを歩いた。列席者約60人の前で誓約書にサインをして、愛を誓った。外はあいにくの小雨模様だったが、次第に晴れ間が見え、海の上には虹が懸かっていた。 田中さんは「みんなが来てくれて感動した。思わず涙が出た」。原口さんは「純粋にうれしい。この式がきっかけで(同性カップルへの)考え方が変わってくれば」。 祝福の中で式を挙げた2人だが、法律上、同性の婚姻は認められない。これまでも制度の壁にぶつかってきた。 田中さんが入院した際、病院から家族の同意書を求めら
札幌市が4月から、性的少数者(LGBT)のカップルを公的に認める「パートナーシップ制度」を導入することを決めた。同様の制度は東京都渋谷区や世田谷区など5自治体で始まっており、政令指定市では初めてとなる見通しだ。 対象は札幌市在住か転入予定の20歳以上のカップル。市役所の男女共同参画室を訪れ、職員の前で宣誓書を記入して提出すれば、証明証にあたる「受領証」を受け取れる。 同性だけでなく、異性のカップルも利用できるようにしたのが特徴だ。トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の場合、戸籍上は異性のカップルであっても、それが自ら考える性での結婚とはならないケースがあるからだ。 札幌市は条例ではなく、市の事務手続きなどを定める「要綱」に規定を盛り込む方針。(関根和弘)
遺族年金の支給認めず=性同一性障害で自殺-広島地裁 山口県岩国市の女性会社員=当時(29)=が自殺したのは、性同一性障害を理由に退職を強要されたからだとして、遺族が国を相手に遺族補償年金を不支給とした岩国労働基準監督署の決定取り消しを求めた訴訟の判決で、広島地裁(末永雅之裁判長)は25日、遺族の請求を棄却した。遺族側は控訴する方針。 判決によると、女性は2008年11月、勤務先の中古車販売会社の同僚に性同一性障害を告白。「会社の風紀を乱した」などとして解雇通知を受けた。女性は告白後にうつ病を発症し、09年1月に自殺した。 末永裁判長は「同僚に障害を告白したことは大きな心理的負荷だった」と認めたが、業務とは関連がないと判断。「一般的に性同一性障害の人はうつ病を発症しやすい」などとして、本人に自殺の原因があったと結論付けた。 遺族側の生越照幸弁護士は「性同一性障害の人の職場での居づらさが
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