<社会的正義で論じられがちで、根本的な原因や対処の話はおざなり。ハラスメントは性別を問わない> ハリウッドから世界にセクハラ(性的いやがらせ)を告発する動きが広まったのは、昨年秋のこと。日本でも、女性ジャーナリストの実名告発や日本テレビの女性記者と財務省官僚のセクハラ騒動が注目を集めたが、男女問わずに起こるセクシズム(性差別)もある。 先の報道のようにセクハラは、社会的正義の観点から論じられがちで、根本的な原因や対処の話はおざなりになる雰囲気がある。セクハラ、そしてセクシズムや他のハラスメントがなぜダメなのか、具体的な被害が指数で示されることが多くない現状も、冷静な議論に発展させることの足かせになっているのだろう。 先日発表された興味深いレポートがある。セクシズムや他のハラスメントを抗議活動とは異なる視点で捉えたもので、社会学者と社会伝染病学者が、これらが人の健康にどの程度の時間、影響を及