子どもの約1%に、聴力検査では異常がないのに、聞き取れない、聞き間違いが多いといった「聞き取り困難症(LiD)」の症状があることが、日本医療研究開発機構(AMED)研究班の調査でわかった。国内初の大規模疫学調査で、国際雑誌に論文が掲載された。 LiDは、耳から入った音の情報を脳で処理して理解する際に、なんらかの障害が生じると考えられている。単語が言葉として入ってこない、耳で聞いただけでは理解できないといった症状がある。騒がしい場所や複数での会話、電話、接客、授業といった場面で自覚しやすい。 海外では人口の0・2~5%に症状があるという報告がある。国内ではあまり知られていなかったが、ここ数年、SNSなどを通じてその存在が知られ、診断を求める人が増えてきた。 研究班は2021~22年、関西の小・中・高校9校に通う計4350人の子どもと、その保護者を対象にアンケートを実施。「『佐藤』を『加藤』な