奈良県大和高田市の市立病院で妊婦=当時(35)=が死亡し、業務上過失致死容疑で書類送検された男性産科医(35)=退職=について、奈良地検は26日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。 地検は2007年3月に産科医をいったん不起訴処分としたが、奈良検察審査会が同年9月、不起訴不当と議決したため再捜査していた。 野島光博次席検事は、妊婦の死因が特定できないことから「事態は予見できず、回避可能性もなかった」とした。 妊婦は04年10月、出産中に容体が急変し死亡。産科医は、適切な処置をしなかったとして書類送検された。 遺族は産科医と同病院に約1億円の損害賠償を求め奈良地裁で係争中。