宇宙論や量子論と違って、ゲームの理論で政治・社会を読み解くというのは納得できる部分があります。しかし、ここでも紫藤ムサシ先生はきわめてユニークな論理を展開しています。もちろん、その裏には、「ゲームの理論を持ち出して、都合のよい思想を押し付ける奴らに気を付けろ」というメッセージが込められているのです。たとえば、タカ派外交を推し進めたい思想を持った人が、ゲームの理論を持ち出したときに、私たちの正しい対応はどういうものでしょうか1)。 1) ”Aさん(A国)”が「ハト派・外交」を提示したとして、”Bさん(B国)”も「ハト派・外交」で応じた場合、「両方とも”2万円”もらえる」ものとします。ハト・ハト=A:2万円・B:2万円ですね。 2) 次に、”Aさん(A国)”が「ハト派・外交」を提示したとき、”Bさん(B国)”が「タカ派・外交」で応じたとき、「A:0円・B:3万円」と規定いたします。ハト・タカ