芸能界でハラスメント疑惑が相次いで浮上している。その背景として指摘されるのは、いびつな上下関係や業界の閉鎖性だ。師匠と弟子、先輩と後輩という昔ながらの付き合いが重んじられる世界は、時代の変化についていけていないのだろうか。そんな疑問を、かつて師匠から23回も破門された経験を持つ落語家の三遊亭好楽さん(76)に投げかけた。 若手の頃から、楽屋で多くの師匠たちを見てきた好楽さん。昔の大御所は、怒るとさぞ怖かったことだろう。そう聞くと、言葉を選びつつ、振り返った。「(八代目桂)文楽、(六代目三遊亭)円生、(五代目古今亭)志ん生、(最初の師匠、八代目林家)正蔵……。それぞれ特徴があって、くせがあって、いろんな人がいました。怒る師匠は自分の弟子がかわいいから怒るんだと思うんだけど、私は弟子を取るようになって、怒るのをまねす…