オランダ・アムステルダムの性的マイノリティ関連団体を視察。中編では、トランスジェンダーをめぐる課題について取り組むTransgender Network Netherlandの活動などを紹介した。後編では、欧米を中心に広がるサル痘の現状や、性的マイノリティ関連の書籍などをアーカイブする団体について取り上げる。
![「自分たちの歴史を知る」20万点のLGBTQアーカイブ【アムステルダムレポート:後編】](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1da28f98f07f38122c3d6f42e08a7188446ac008/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg.huffingtonpost.com%2Fasset%2F6340cf492600001c005b8446.jpg%3Fops%3D1200_630)
(CNN) 米歌手マドンナさん(64)が動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」に投稿した動画で、同性愛者であることを明かしたのではないかと話題を呼んでいる。 動画には、ピンクのパンティーを手にして立つマドンナさんと、「外したら私はゲイ(同性愛者)」という字幕が映し出される。マドンナさんはごみ箱に向かってパンティーを投げ、外れると「まあいいか」というジェスチャーをしてみせた。 マドンナさんは最近、ドミニカ出身の女性ラップ歌手、トキーシャさん(26)とキスを交わすパフォーマンスで注目を集めた。トキーシャさんとコラボレーションした2005年のヒット曲「ハング・アップ」のミュージックビデオ(MV)でも、親密な場面が話題になっている。 マドンナさんは長年、性的少数者を支持する立場で知られてきた。1991年には米誌アドボケートとのインタビューで、「バイセクシュアルの性向はだれにでもあると思う
カリーヌ・ジャンピエール米大統領副報道官(2021年11月8日撮影、資料写真)。(c)MANDEL NGAN / AFP 【5月6日 AFP】(更新)米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は5日、ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官が今月退任し、後任にカリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)副報道官(44)が就任すると発表した。黒人女性として初、性的少数者(LGBTQ)を公言している人物としても初の米大統領報道官となる。 ホワイトハウス(White House)の発表によると、サキ氏は今月13日に退任し、ジャンピエール氏が後任に就く。 ジャンピエール氏は仏海外県マルティニク(Martinique)でハイチ人の両親の元に生まれ、米国に移住。ニューヨークで育った。2008年と12年の大統領選ではバラク・オバマ(Barack Obama)陣営のスタッ
2022.4.21 追記あり 2. トランスイシューに関する記述について 前のエントリの続きです。こちらのほうが本題。 先に述べたとおり、6節はここだけ「フェミニズムとジェンダー理論」の著作の紹介という形をとっていないという点で異様なのですが、その代わりに語られている著者自身の時代診断のうち、トランスイシューに関する部分は特に問題が多く、「現在こうなっている」と著者が語ることの多くがトランス差別的なクリーシェをなぞっていると私は思います。 ぱっと見で気づいたところだけ順番に引用して指摘していきます。 こんにち、「女性が子どもを産む」という身体的な特徴の描き方のみならず、「母親」という言葉自体が、トランス差別であると批判 さかね(ママ) ない。出産する「トランス男性」や出産できない「トランス女性」に対する排除的表現だからだ。政治的に正しい表現は、「子宮をもつひとが出産する」となる。このように
『社会学評論』*1の72巻4号で、「ジェンダー研究の挑戦」という公募特集*2が組まれています。この記事ではそこに掲載されている千田有紀さんの論文「フェミニズム、ジェンダー論における差異の政治」について、私の簡単な感想を記しておきます。 千田さんはこれまでも(ご本人の意図はどうあれ少なくとも結果としては)トランスジェンダーに対する差別的な言説をエンカレッジしてしまうことになるような文章を書いてきており*3、その事情を知る人たちの間には評論掲載の論文もそうなっていないかという懸念がありました。実際に読んで、残念ながらその懸念が払拭されたとは言い難いという感想を私は持ち、そしてそのことは日本社会学会の会員として表明しておくべきだと考えました。 1. 論文の構成に関する問題 トランスジェンダーについての記述について検討する前に、私にはそもそも千田論文の構成がよく理解できず、結論として何が主張されて
BTS(防弾少年団)のジョングクが、ソウルの梨泰院(イテウォン)に一戸建てを購入したというニュースが話題だ。最近では、JTBCドラマ『梨泰院クラス』で知名度の上がった地域だが、一体どんな所なのだろうか? 今月4日、BTS(防弾少年団)のジョングクが、ソウルの龍山(ヨンサン)区にある梨泰院洞(イテウォンドン)に一戸建てを購入したと報じられた。 韓国メディアの『Etoday(イートゥデイ)』によると、その額は76億3,000万ウォン(日本円で約7億6,000万円)だという。 これだけ有名人からも注目を集めている梨泰院とは、一体どんな街なのだろうか? 梨泰院とは 韓国の観光地と言えば明洞(ミョンドン)が有名だが、意外にもソウル市の観光特区第1号(1997)が梨泰院である。 Embed from Getty Images 第二次世界大戦が終結した1945年以降、米軍基地ができたことで人種のるつぼと
元スキッド・ロウのヴォーカルのセバスチャン・バック(Sebastian Bach)が、Zoomでのインタビューで、インタビュアーのホモフォビックな発言に立腹。「そういうことは言わない方がいい」と言ったのち、黙ってカメラを切り、インタビューを打ち切ってしまったそうです。 詳細は以下。 elclosetlgbt.com このインタビューはポッドキャスト番組The SDR Show (Sex, Drugs & Rock n' Roll Show)のためのもので、問題の発言をしたインタビュアーはビッグ・ジェイ・オウカースン(Big Jay Oakerson)というコメディアン。セバスチャン・バックが、ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォード(Rob Halfor. 1998年にゲイとしてカミングアウトしています)はコンサート前の喉のエクササイズは必要ないと言っていると話したとき、オウカースンはこ
2020.06.28 12:00 ドラマ、映画、漫画……トランスジェンダーの語りの政治/映画『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』 これまで欧米で作られてきた映画、ドラマシリーズなどで描かれてきた、トランス表象の「開示」にともなう暴力や排除の発露といった危険を、Netflixドキュメンタリー映画『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』は暴いていく。それはまさに、現在「Black Trans Lives Matter」として、アメリカの黒人トランスジェンダーの、特にトランス女性たちが、身体の状態の「開示」を巡って時に死に至るほどの暴力に晒されやすい、そうした現実に対して叫ばれる、命・尊厳の回復と呼応するだろう。 トランスをめぐるさまざまな問題について、何者であるか「開示」せずに、Twitterやブログで鋭い分析やトランス女性個人としての地に足のついた声を披露する
LGBTビジネス紹介、第2弾は、LGBT映画配給のウルフビデオです。 画像:公式サイトより ウルフビデオは、キャシー・ウルフによって、1985年に創業されました。キャシーはそもそも広告会社を創業後約20年間経営し、13の支店で150人の従業員を抱える経営者でした。そんな敏腕ビジネスパーソンだったキャシーが次に選んだのは、ゲイやレズビアンをテーマにした映画やビデオの当通販サービスでした。彼女のビジョンはコミュニティ作りと、そして社会の変化のためにこのビジネスを使うということでした。今のようにネトフリでゲイ作品がガンガン観られる時代ではなかった当時、ゲイやレズビアンのストーリーはとても「見えない」もので、当事者は共感できる物語を探すのは大変だったのです。 そして、その「見えなさ」はおそらく多くのクィア当事者の生き方にも影響を与えていたと思います。ゲイ映画って単なる娯楽ではなくて、周りにロールモ
性社会・文化史(ジェンダー/セクシュアリティの歴史)の研究者としての活動、研究成果の一端、トランスジェンダーとしての日常と関心事を記していこうと思います。 2月20日(水) 平成30年間のトランスジェンダー関係の略年表を作った。 以下、年表から読み取れること。 ① 1990年代には、ニューハーフ、女装などトランスジェンダー・カルチャーの活動が活発だったこと。 ② 2000年前後に、性別移行を病理とする「性同一性障害」の流れが急速に展開すること。 ③ 2003~2005年に、女装、ニューハーフ系の雑誌が次々に廃刊になること。 ④ 2008年頃から、病理化のもとで逼塞させられていたトランスジェンダー・カルチャーの復活・再生(リニューアル・21世紀型)が始まること。 ⑤ 2014年頃から、性別移行の病理化に反対す潮流が日本でもはっきりしてくること。 【追記(4月5日)】加筆・修正版はこちら(↓)
今回の連載では、女性を「不完全女性」と認定するとはどういうことか、について考えていきたいと思います。「不完全女性」って何じゃそりゃ……と思われるかもしれませんが、特定の女性をなんとなく女性ではないようなものとして扱うというのは、歴史的によく起こっていたことです。今日は私が昔から抱えている、不完全女性として認定されることへの恐怖について書きたいと思います。 『リトル・ブリテン』のエミリー・ハワード 『リトル・ブリテン』というコメディシリーズが、イギリスのBBCで2003年から2005年まで放送されていました。これはマット・ルーカスとデイヴィッド・ウォリアムズという2人のコメディアンがいろんなキャラクターを演じるお笑い番組です。今だと全然笑えないのでは……と思うような内容もあり、クリエイターのマットもちょっと失敗したところがあると回想していますが、当時はとても人気がありました。 私のお気に入り
LGBTと精神疾患 同性愛は精神疾患ではないし治療の対象にもならない。 このことは、現代の日本ではほぼ常識となりつつあるだろう。 性的なことがらに関するマイノリティ(少数者)に対して差別的な言動をすることは許されないという社会道徳・規範は21世紀に入って、日本も含めた先進諸国で急速に広がった。 誰かの性的あり方を自分と違っているというだけの理由で病気扱いすることも差別の一種とみなされるだろう。 だが、からだの性とこころの性が一致しない性同一性障害(性別違和)・トランスジェンダーの人々の場合、医療との関係は微妙だった。 医療的な処置――からだの性をこころの性に合わせるために、男性ホルモン・女性ホルモンを用いたり、性別適合手術をしたりすること――をときに必要とする点で、「病名」や「障害名」と切り離せないからだ。 とはいえ、最近トランスジェンダーをめぐって大きな変化があった。2018年6月には、
* この座談会は、語り手のひとり小倉東さんが新宿二丁目で経営する「ホモ本ブックカフェ オカマルト」で、トークライブの形式で開催されました。 * 本座談会は、男性シスジェンダー・ゲイ指向の3人の視点で語る特徴と限界があります。性的マイノリティ全体を指す場合とゲイを指す場合が、区別なく「ゲイ」と表現されたり、自称として「オカマ」「ホモ」「レズ」が使われたりすることがあります。あらかじめご了承ください。 ポライト(礼儀正しい)な運動で事態が変わるか北丸 ここで「ホモファイル運動」について話していいですか。アメリカのLGBT運動で、ストーンウォール暴動(※)やその後の70年代のリベレーション(解放運動)に先だって、ホモファイル運動と呼ばれる流れがありました。 ※1969年 6月28日、ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン (Stonewall Inn)」が警察による踏み込み捜査を受けたさ
月刊誌『新潮45』8月号での杉田水脈氏の論考と巻き起こった批判、同誌10月号での反論特集とさらなる批判、そして休刊という結末。LGBTをめぐる話題がメディアを席巻し、パンドラの箱が開いたごとく、課題が一気に飛び出しました。議論はいまも続いています。 ゲイで、年齢が50代以上の北丸雄二氏、小倉東氏、私の3人が、過去の見聞や経験、日米といった国の違いとの対比・参照もふまえて、一連の『新潮45』問題を語り合いました。 1回目は、「当事者」のなかでの見解の相違や反発はどこから来ているのか? 一般社会が知らない当事者間の「暗闘」を全部お話しします!(全4回) ※この記録は、語り手のひとり小倉東さんが新宿二丁目で経営する「ホモ本ブックカフェ オカマルト」で、10月6日に公開座談会として開催されたもののほぼ全容です。 ※ 本座談会は、男性シスジェンダー・ゲイ指向の3人の視点で語る特徴と限界があります。性
<サムソン高橋×能町みね子「新潮45」対談 vol.3> 「新潮45」8月号の杉田水脈衆議院議員の寄稿と、彼女を擁護する「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という10月号の特集。 「新潮45」の公式サイトを見ると、謝罪はおろか、「休刊のお知らせ」すらもなく、大問題となった小川氏の記事が掲載された最新号(そして最終号になった)にかける編集長の意気込みが掲載されたままです(2018/10/17現在)。 LGBT当事者でもある、ゲイライターのサムソン高橋さんと、出生時の性を男性から変えた女性のマンガ家・エッセイストの能町みね子さん。契約結婚を前提に夫婦(仮)として生活中のおふたりに、この騒動についてうかがった対談もいよいよ最終回。 新潮社の振る舞いのダサさ、杉田水脈議員の寄稿文のトンデモぶりを指摘した前回に続き、今回はLGBT当事者たちの様々な意見について語ります! サムソン高橋(以下、サムソ
おひさしぶりですー。 骨折して体力落ちたところに鬱と喘息がガンギマリでウミウシのように寝込んでましたが。 先日、なんと当日の3時間半前にスピーチの依頼があって話してきましたので、その書き起こしと録画した方のYouTubeへのリンクを備忘録的に。 細かい脚注、こぼれ話などは後日追加します。 【動画】 www.youtube.com 【スピーチ】 いま、紹介にあずかりましたレズビアン活動家の土屋ゆきです。みなさん、こんにちは! 暑いですね。今日は「ここに来ようかな、どうかな」といったような話をツイッターに書いたら、ちょっと主催のタニ君から「ちょっと話しなよ」とかいきなり言われて、それから泥縄で原稿を書いて送ってOKをもらって。これからその原稿を読んでいこうと思います。 こんなすごーく暑い8月になると、毎年思い出すある日があります。1994年。もう、いまから25年近く前のことです。日本で初めてレ
今年も6月のプライド月間(Pride Month)がやってきました。世界各地でLGBTQ(同性愛者のレズビアンやゲイ、両性愛者のバイセクシュアル、トランスジェンダーなどのセクシュアル・マイノリティの総称)の権利や社会への理解を広げるためのさまざまなイベントが開催される季節。渡米直後だった昨年の今頃は、初めて見た首都ワシントンD.C.でのパレードやフェスティバルの様子(https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-568452.html)を紹介しました。 2018年のD.C.の祭典、キャピタル・プライド(Capital Pride)は7〜10日。今年は友人からのお誘いを受け、D.C.のゲイタウン、デュポンサークルからローガンサークルまでの約1.5マイルを練り歩くパレードに参加しました! そこで感じたのは、「ハッピー・プライド(Happy Pride)
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