超高齢社会の今,看取りの場の確保が課題となっている。多くの人々が持つ「住み慣れた場所で最期を迎えたい」との希望をかなえるため,自宅だけでなく,有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下,サ高住)等の「高齢者向け住まい」も看取りの場のひとつとして注目されている。 高齢者向け住まいを「ついのすみか」にするには,どのような課題があるのか。沖縄県で医療・介護連携に尽力する医師の高山氏と,サ高住の経営者として介護の新たな形を模索する下河原氏が,高齢者向け住まいでの看取りの在り方を議論した。 高山 私は2010年から沖縄県立中部病院で内科医として診療に当たりながら,県職員として地域の医療改革にかかわっています。その間に,厚労省で地域医療構想のガイドラインづくりにも携わりました。臨床と行政の経験を生かして,暮らしの現場と医療提供体制の橋渡しとなるべく,さまざまな課題に取り組んでいます。 中でも「看