市場では、売買が禁止されているはずの野生生物の肉も売られていた=2012年7月、コンゴ共和国・ポコラ、小林裕幸撮影 アフリカの人々を苦しめている感染症はマラリアだけではない。広い地域が熱帯に属するアフリカには多種多様な感染症が存在し、人々に対する重大な脅威となっている。 なかでも致死率が50%前後に達するエボラ出血熱は、感染力が非常に強く、対症療法しかない深刻なウイルス性の感染症である。2013年末から2016年初頭にかけてのギニア、リベリア、シエラレオネの西アフリカ3カ国での感染爆発は、1976年にエボラウイルスが最初に確認されて以降最大の被害をもたらし、死者は1万1000人を超えた。 国境なき医師団が設置した施設を使って、エボラ出血熱の疑いのある患者の検査に当たる医療従事者=2015年5月、リベリア・モンロビア、三浦英之撮影 そして現在、アフリカ中部のコンゴ民主共和国で再び流行がみられ