誰でも簡単に物が手に入る時代に、現地を訪れることでしか手に入らないものの価値が見直されている。それは、いわゆる、日本各地の”ご当地もの”。なかでも近頃注目されているのは、なんと下水道の「マンホールのふた」だ。それも、コレクションカードとして全国各地で配布され、コレクターがいるというーー。その謎に迫るため「マンホールカード」の開発者、下水道広報プラットホーム(GKP)の山田さんに話を聞いた。人気の背景には、カードに仕掛けられたいくつもの秘密が隠されていた。 (取材・文:阿部愛美) 4月中旬の土曜日。JR川崎駅に新しく開設された北改札を抜けて、私はある場所に向かう。その理由は、数日前に受けた編集部からの電話だった。 「最近、『マンホールカード』というものが流行っているらしい。面白そうなので開発者に話を聞きに行ってみない?」というものだ。 流行の対象が「マンホール」というだけでもちょっと意味が分