欧州の“原発大国”が岐路に立たされている。電力の75%を原子力発電で賄っているフランスが今年、原発政策を転換するかもしれない。 きっかけは、今年4月の大統領選だ。現在、支持率で現職のニコラ・サルコジ大統領を上回るのが最大野党の社会党の前第1書記、フランソワ・オランド氏である。このオランド氏が、原子力政策の見直しを公約に掲げているのだ。 その中身は、現在稼働中の58基の原子炉を寿命が訪れたものから順次廃炉にして、2025年までに24基に減らす。それにより電力の原発依存度を50%以下に引き下げるというものだ。 1970年代の石油危機以降、原子力政策を安全保障の根幹に据えてきたフランスにとって、原発依存度の引き下げは国家戦略の大転換を意味する。 サルコジ氏の与党・国民運動連合と同様に、オランド氏の社会党も従来は原発推進の立場だった。世界有数の原子力国家であることは政治・経済の両面で国益にかなうと
追跡!真相ファイル「低線量被ばく- 揺らぐ国際基準」を見た。 事前予告がセンセーショナルであった上、内容的にも物議を醸す部分がいくつかあったようで、放送直後からいろんな反応がネット上に出ている。それはさておき、私自身はスウェーデンの部分で誤解を与える内容があったように思うので、コメントしたい。 【 サーメ人の村が受けた外部被ばくの量 】 スウェーデン北部のヴェステルボッテン県に位置するサーメ人の村。トナカイ遊牧をして暮らしている人々だが、チェルノブイリ事故後、食品を通じた被ばくによると思われるガンが増えているという。 番組では、「チェルノブイリ事故で発生した放射性物質が降り注いだときの放射線量は年間0.2mSv」と説明していた。これは地表に降下した放射性物質による外部被ばくのことだと思われるし、自然放射線量を除いた値だろうが、事故直後に年間0.2mSvとというのはあまりに低い値だと感じる。
カオルソ原発に設置された世界唯一のイタリア製「脱放射能槽」。前に立つのはイタリア原発管理公社のエミリオ・マッチさん(左)ら原子力技術者=藤原章生撮影 【カオルソ(イタリア北部)藤原章生】イタリアは6月の国民投票で脱原発を決めた。政府は今、過去に稼働した原発(4基)の2020年前後の廃炉を目指し撤去に本腰を入れている。北部の町カオルソで進む原発解体作業を見た。 「この規模では世界唯一の脱放射能槽です」。線量計を胸につけ防護服でカオルソ原発のタービン建屋に入ると、イタリア原発管理公社の同原発所長、エミリオ・マッチさん(57)が、全自動の長さ10メートルほどの大きな水槽を示した。 この原発は福島第1と同じ型の原発。脱放射能槽では、総量で5000トンにおよぶ原子炉部品、機材を一つ一つ切り刻んでは弱酸性液の槽に浸し、放射性物質を取り除く。従来は砂を吹きつけ除染したが、効率を上げるため公社と民間のアン
スイス“原発廃止”閣議決定 5月26日 9時39分 スイス政府は、福島第一原子力発電所の事故を受けて、国内にある5基の原子炉を順次、廃止にする方針を閣議決定し、ドイツに続いて「脱原発」に向けて大きくかじを切ることになりました。 この方針は、スイス政府が25日、閣議決定したものです。それによりますと、スイス国内の電力需要の40%を賄う5基の原子炉について、今後は、古くなったものから順次、運転を停止し、2034年までには、すべての原発を廃止にします。これについて、スイス政府は「原発の安全対策を次々に強化していこうとすると費用が非常に割高になる」と指摘し、代わりに太陽光や風力などの再生可能エネルギーを大幅に増やしていく方針を示しています。スイスでは、今月22日におよそ2万人の市民が参加して大規模な反原発デモが行われるなど、東京電力福島第一原発の事故を受けて、市民の間で原発への不安が広がっています
福島第一原発の事故によってどのような議論がスウェーデンで起こっているかを説明したいが、まず、震災・事故以前におけるスウェーデンでの原発論争を以下にまとめてみたい。 (わたしがこれまで見聞きしてきた情報や私の目を通して感じてきたことをもとにまとめてみます。) 【原発反対派】 ○ 再生可能な電力源(風力・バイオマス発電)などの発電量を増やすと同時に、節電やエネルギー利用の効率化を進めながら、段階的に原発を廃止していくべき。 ○ 原子炉の寿命を60年とする前提のもとでは、既存の原子炉が寿命を迎えるのは2032年から2045年にかけてであるため、原子力によって現在賄われている電力の部分(総発電量の35%~40%)を再生可能な電力に置き換えたり、節電を行うことで電力需要を抑制するための時間的な余裕は十分にある。 ○ ただし、原子炉はたとえ60年使えるとしても、可能であればそれよりももっと早い段階で廃
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