2014年3月の静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌さん(80)の即時抗告審で、東京高裁と東京高検、弁護団による3者協議が7日、同高裁であった。弁護団が求めていた全証拠の一覧表(証拠リスト)の開示について、大島隆明裁判長は現時点で検察側に開示命令を行わないことを決めた。また、弁護側DNA型鑑定の検証実験に一定の進展があったことも伝えられた。 証拠リストの開示については、6月下旬に弁護団が申立書を同高裁に提出、その後、開示に反対する検察側と弁護側の間で激しいやりとりが続いていた。弁護団によると、これに対して大島裁判長は7日の3者協議の席上、「(証拠リストの開示は)『命令せず』と決めた」と述べた。 また、大島裁判長は、静岡地裁決定の根拠になった弁護側DNA型鑑定の検証実験について、実験の具体的方法などを決める「予備実験」から、実際の試料を用いて行う「本実験」に入ったことを伝えたという。 た