僕が小学生の頃なんですが、故郷の街の基幹産業だった造船が、造船不況の直撃を受けて壊滅したんですよ。造船の労働者、技術者たちは田舎街の数少ない「高給取り」だが、この人達が路頭に迷った。当然その家族も巻き添えを食い、家族ごと街を出た者も多かった。街の人口減少が始まった。↓
とりひきだ。とりひきをしよう。あくまがいいました。 いやだ。ぜったいいやだ。めのおおきいひとがいいました。 いいよ。とりひきしよう。くちのおおきなひとがいいました。 くちのおおきなひとのにわは、みるみるきれいなはなぞのになりました。 めのおおきなひとは、まずしくてまずしくておなかがすいてしかたありません。 くちのおおきなひとは、まいにちたのしくてしかたありません。 はなぞのにみのったくだもので、おなかがいっぱい。 だからくちのおおきなひとは、きづきませんでした。 はなぞのがみるみるかれていることを。 きがついたときには、もうおそかったのです。 にどとはなのさくことのないおにわで、くちのおおきなひとは、おおきなくちをあけておいおいとなきながらつぶやきました。 あくまととりひきなんかしなければよかった。 ヤコブ・ファロベック「めのおおきなひと くちのおおきなひと」より抜粋 浦沢直樹「MONS
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