日米地位協定の改定を求めている沖縄県が米軍基地を抱える国と米国の地位協定を調査・比較する取り組みの一環として、池田竹州知事公室長が近くベルギーとイギリスを訪れ、両国政府関係者らと面談することが3日までに分かった。県はこれまでドイツ、イタリアの地位協定を調査している。
全国知事会は14日、日米地位協定の抜本的な見直しを日米両政府に提言した。8日に亡くなった翁長雄志・沖縄県知事の「基地問題は一都道府県の問題ではない」との訴えを受け、2年近くかけて提言にまとめ、7月の全国知事会議で全会一致で初めて採択した。 提言は、航空法や環境法令など国内法の適用や、事件・事故時の基地への立ち入りなどを日米地位協定に明記するよう要請。米軍の訓練ルート・時期に関する情報を事前提供すること、基地の使用状況などを点検して縮小・返還を促すことも求めている。 この日は同会長の上田清司・埼玉県知事らが外務、防衛両省と在日米大使館を訪問。上田知事は報道陣に「基地のない県も含めて共通の認識を持った」と述べた。同行した謝花(じゃはな)喜一郎・沖縄県副知事は「全国知事会としての提言は憲政史上初。画期的で心強い。沖縄県の思いもすべて入っているので、政府は取り組みをお願いしたい」と話した。 米軍基
沖縄県各地の集落に、古びたボンベがつり下がっている。戦後間もない時期から、時刻を知らせる鐘として鳴らされたが、当時、米兵らによる女性への暴行が頻発したため、危険を知らせる「警鐘」の役目も果たした。ボンベは、今につながる県民の苦難の歩みを物語る。 沖縄本島中部、嘉手納基地に近く、米軍関係者が多く住む北谷(ちゃたん)町砂辺。地区の公民館の駐車場に、長さ約1・5メートルの黒っぽいガスボンベがつり下げられている。郷土史に詳しい与儀正仁さん(83)は「これを打ち鳴らし、基地に連れ込まれそうになった女子中学生が難を逃れました。救いの鐘です」と語る。 与儀さんによると、1955年に米兵の犯罪から身を守ろうと、基地で働く地元住民が米軍の使用済みボンベを調達して設置したという。その年、石川市(現・うるま市)で6歳の少女が米兵に暴行、殺害された事件が起き、県民に強い衝撃を与えた。今のボンベは与儀さんが区長だっ
沖縄県の翁長知事は、アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡って、みずからが設置した第三者委員会が、前の知事が行った名護市辺野古の埋め立て承認の取り消しを提言した場合は、承認を取り消す方針を示しました。 これに関連して翁長知事は26日夕方、記者団に対し、「『最大限、検証委員会の判断を尊重する』と今日まで話をしてきており、委員会が取り消しを提言するのであれば、それは取り消しにつながるだろう」と述べ、第三者委員会が取り消しを提言した場合は、埋め立て承認を取り消す方針を示しました。 また翁長知事は、菅官房長官が記者会見で、「名護市辺野古への移設計画を断念することは普天間基地の固定化を容認することにほかならない」として工事を進めていく考えを強調したことについて、「何が何でも辺野古に基地を造って、そこに普天間基地を移すこと以外は念頭にないという姿勢が表れており、大変憤りを感じる」と厳しく批判しました。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設問題で、県が沖縄防衛局に出した作業停止指示について、林芳正農林水産相は30日に執行停止を決め、指示を無効とする方向で調整に入った。執行停止は、防衛局が指示への対抗措置として申し立てたもの。翁長雄志知事は27日、「申し立ては不適法で却下されるべきだ」とする意見書を農水相に送った。 防衛局は作業停止指示の取り消しを求めて農水相に行政不服審査法に基づく審査請求をし、あわせて執行停止も申し立てていた。執行停止が認められれば、県の指示はいったん効力を失うため、国が作業を停止する必要はなくなる。 県庁で記者会見した翁長氏は、申し立て自体が「成立し得ない」と指摘。理由に、①県の指示は行政処分でなく行政指導で、申し立ての対象外②制度は国民が不服を申し立てるためのもので、国が申し立てることは予定されていない――などを挙げた。その上で「日米関係が悪化
サンゴ損傷場所 県は11日までに、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて沖縄防衛局が設置しているコンクリート製の「トンブロック」(10~45トン)がサンゴなどを傷つけている問題で、作業の一時停止を指示する方向で調整に入った。移設予定地に面した大浦湾内でのブロック設置場所が、昨年8月に県が岩礁破砕許可を出した区域の外であることなどを問題視した。 県は12日にも防衛局からトンブロックについての回答を受けて早急に対応を決めるが、岩礁破砕許可の取り消しも含めて検討している。 県首脳は11日、「対応は急がれる。指示や取り消しなど岩礁破砕を許可した際に付した条件について議論する」と述べ、許可に際して付した「条件に違反した場合は取り消すことがある」との条項に当たる可能性を示唆した。 県は昨年8月、防衛局が申請した172ヘクタールの埋め立て予定地に係る岩礁破砕を許可したが、防衛局は現在、沿岸から最大約
「海保の暴力は許さない」と訴える抗議集会の参加者=23日午後、那覇市の第11管区海上保安本部前 「辺野古での海上保安庁の弾圧を許さない緊急抗議集会・要請行動」(主催・基地の県内移設に反対する県民会議)が23日正午から、那覇市港町の第11管区海上保安本部前で開かれた。名護市辺野古への新基地建設に反対する市民らのカヌーや、報道関係者が乗船している船に対して、海上保安庁によって暴力的な排除が行われているとして、参加者は「暴力は決して許さない」などと気勢を上げた。主催者発表で約370人が集まった。 大浦湾で20日、船上でカメラを持った女性が海上保安官に馬乗りにされた件で、同じ船に乗っていたという船長が登壇し「海保は船の後ろへ行こうとしてそのようになったと言い訳しているが、私は一部始終を見ていた。海保はカメラを押さえ付けるために足をまたいで(撮影を)やめさせようとしていた」と指摘。「うそをつくにもほ
市民団体「『ヘリパッドいらない』住民の会」は23日、東村高江の米軍ヘリパッド建設に反対して座り込みをする住民らを排除するために防衛局が県道70号の路側帯部分を米軍専用に変更することを検討していることについて、県として認めないよう要請した。 県は道路管理上、支障がないように対応する考えを示した。県として変更手続きにどのような形で対応できるのか確認するという。 県庁で要請を受けた親川達男基地防災統括監は、県道を米軍専用とする手続きに関し「沖縄防衛局は『現時点で決まったことは何もない』と回答している」と説明。その上で「道路管理者として、安全かつ、円滑な道路の通行に支障がないよう適切に毅然(きぜん)と対応したい」と具体的な手続きが明らかになった時点で防衛局に意見を述べることを示唆した。 住民の会は「県としての意向を伝えないと、決定後に県が道路管理上、支障があると言っても遅い」と早期の対応を求めた。
【平安名純代・米国特約記者】米元副大統領で、クリントン政権下で駐日米大使を務めたウォルター・モンデール氏が1995年当時、米軍普天間飛行場の返還交渉で、日本側が在沖縄米海兵隊の駐留継続を望んでいたと述べていたことが12日までに分かった。
米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設問題で、政府は二十一日、代替施設の調査や設計の業者を募る入札を公告し、作業に着手した。その一方で、名護市向けの五百億円の基金創設は立ち消えになりそうで、基地受け入れ関連の交付金は今後も停止を続ける。「アメ」をやめ「ムチ」ばかりの高圧的な政府の姿勢が早くもあらわになった。 (後藤孝好) 沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が昨年末、辺野古沿岸部の埋め立てを承認して以降、移設に関する具体的な手続きは今回の入札公告が初めて。名護市長選で反対の民意が示された直後で、地元の反発がさらに高まるのは確実だが、政府は移設計画を強行する。
保守系の政治エリート、マスメディア関係者の中には、沖縄県民の大多数は、米海兵隊普天間飛行場の辺野古移設について、無関心であるか、諦めているにもかかわらず、『琉球新報』と『沖縄タイムス』の地元2紙と、沖縄内外の左派、リベラル派が、沖縄県外移設を煽っているという、実態から乖離した見方がある。このような偏見を、とりあえず括弧の中に入れて、28日の『琉球新報』、『沖縄タイムス』の社説を読むことが、沖縄の内在的論理をつかむために不可欠の作業である。両紙共に仲井真知事の辞任を求めている。事態はかなり深刻だ。 知事埋め立て承認 即刻辞職し信を問え 民意に背く歴史的汚点 仲井真弘多知事が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた政府の埋め立て申請を承認した。「県外移設」公約の事実上の撤回だ。大多数の県民の意思に反する歴史的汚点というべき政治決断であり、断じて容認できない。 知事は、2010年知事選で掲げ
名護市辺野古への普天間代替基地建設に向け、沖縄防衛局が県に提出した埋め立て申請書に記された護岸の長さや弾薬搭載区域の規模が、これまで県に示していた計画よりも拡大し、軍港並みの機能になっていることが20日、分かった。 船が接岸する護岸の全長は約200メートルから272メートルへ伸びる。幅30メートルは初めて記された。オスプレイ12機や海軍エアクッション型揚陸艇(LCAC)が搭載可能な米海軍強襲揚陸艦ボノム・リシャール(全長257メートル、4万500トン)の立ち寄りが可能になる。同揚陸艇の水陸両用訓練が可能となる斜路(しゃろ)の存在も新たに図示された。防衛局は環境影響評価(アセスメント)の手続きの中で代替基地の軍港機能を否定していた。 ボノム・リシャールはオスプレイが搭載できなかった旧型と交代、昨年から佐世保基地に配備された。県内にたびたび寄港する最大規模の艦船で、代替基地はうるま市の海軍ホワ
県民大会決議/差別と犠牲の連鎖断とう 沖縄の正当性は自明だ2012年9月10日 Tweet 続々と会場に向かう人の波を見て、沖縄の人々の良識を思った。オスプレイ配備に反対する宜野湾市での県民大会に10万1千人(主催者発表)が参加した。一文の得にもならないけれど、貴重な時間を投じ、公のために動く人々がこれほど大勢いる。われわれはそれを誇りに思っていい。 それに引き替え、「配備は米政府の方針で、日本がどうしろこうしろという話ではない」(野田佳彦首相)という国家トップの発言の、何と軽いことか。住民の命を守る責任も、国の主権も放棄するこの政府にもはや当事者能力はない。沖縄が主体的に解決したい。 生けにえのごとく それにしても、「差別」や「犠牲」を強要されているという認識が、これほど繰り返された大会はかつてなかった。 大会で共同代表の平良菊・県婦人連合会会長は「沖縄の心を、子どもを犠牲にし
社会 「自立構想問われる」 小熊さん歴史講座「戦後と沖縄」2012年3月19日 Tweet 「戦後と沖縄」と題して講演する小熊英二さん=17日、那覇市の県立図書館 歴史社会学者の小熊英二さん(慶大総合政策学部教授)が17日、県立図書館歴史講座で「戦後と沖縄」と題して講演した。補助金をばらまいて基地や原発を受け入れさせてきた利益誘導政治は終息を迎え、在外米軍の撤退にも拍車が掛かると指摘。「沖縄の自立をどう構想するかがいやが応でも問われる」と新たな局面の自覚の必要性を強調した。 小熊さんは1972年の沖縄返還の背景について、ベトナム戦争に伴う財政圧迫や軍事技術の進展により、米側に在外基地を維持する意義が薄れたことを説明。一方で日本の防衛・外務は冷戦型の体制維持という時代錯誤を続け、在日米軍を駐留させ続けるための予算措置など、補助金により日米安保を維持する仕組みが復帰後に出来上がった。 小
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