電動車椅子を使う川崎市在住のコラムニスト伊是名夏子(いぜななつこ)さん(39)が先月、JR東日本に無人駅での移動介助をいったん断られた経緯をブログで問題提起をしたところ、激しいバッシングを浴びた。市内の障害者たちは、声を上げた当事者を「クレーマー」となじる背景に、無自覚な障害者差別があると指摘する。 (山本哲正) 「階段しかない無人駅は本当に困ります。高齢者にとっても大変でしょう」と伊是名さんに共感したのは、脳性まひによる肢体不自由で車椅子で生活している多摩区の松浦明美さん(61)。自らも路線バス乗車時に運転手にシートベルトを強く装着され肋骨(ろっこつ)を折る交通トラブルを経験している。 障害者差別解消法(二〇一六年施行)は、障害者ではない人と等しく尊厳を重んじられる権利を明記。バリアフリーの合理的配慮を民間事業者の努力義務としており、さらに義務化する改正案も国会で審議中だ。だが、松浦さん