戦前の共産党の実態はどうだったか。その成立のいきさつ、コミンテルンによる支配、資金の出所、組織、相次ぐ転向者など──戦時下の弾圧による党崩壊までの激動の歴史を実証的に追い、当時の関係者の証言を記録する。理論や主張としてではなく、生きた人間研究としての初の本格的な通史。全3冊。 『日本共産党の研究(一)』(立花 隆):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部 松本清張「昭和史発掘」を読んでいたときに、1928年の「3.15事件」その他共産党関連の事件の記述がでてくる。当時(大学入学直前)はなんのことやらさっぱりだったのだが、このように「日本共産党史」として読むと、了解できる。なるほど、日本の社会主義運動はだいたい1900年ころに端を発するが、しばらくは社会民主主義の革新運動ないしアナーキズムであった。マルクス=レーニン型の共産主義運動はきわめて少数だった。なにしろ、まだ世界のどこにも共産主義革命が実