1964年(昭和39年)、韓国はアメリカの要請を受け、非戦闘部隊をベトナムに派兵したのを皮切りに、1973年までのべ31万人の部隊を送った。 これはベトナム参戦国の中で、アメリカに次ぐ規模の派兵であった。 この事実はその後、韓国の歴史にも大きな影響を及ぼす事になる。 当時の朴正煕政権は派兵を推進し、その後大統領として政権を引き継いだ全斗煥、盧泰愚両氏も、ともにベトナム派兵で活躍した指揮官経験者だった。 一方、この戦争は韓国に「ベトナム特需」と呼ばれる経済成長をもたらした。 戦争と言う、莫大な物資を必要とする怪物を当て込み、物資供給の権利を得ればその利益はおのずと巨額なものとなる。 韓国は解放後の経済復興のきっかけとして、ベトナムへの派兵協力と引き換えに輸出指向の経済構造を定着させ、脅威の経済成長を果たしたのだ。 そのため南ベトナムに派兵された韓国軍の他に、「特需」を当てこんだ産業資本やビジ